日本アマを6回も制した今は亡き中部銀次郎さんはストイックな方ですが気さくな方でもあったと、親交のあった方から聞いたことがあります。
その中部さんが居酒屋でのゴルフ談議でおっしゃったのがタイトルです。
日経新聞電子版「ボール任せ風任せ」から略して引用させていただきます。ゴルフジャーナリストの地平達郎さんの記事です。
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中部銀次郎さんおすすめの「頭が動かない」ドリル
壁から40cmくらい離れて壁に向かい、「そのまま上半身を前傾して、おでこを壁にくっつける」。
次に、両手をだらーんと下げて両手でグリップの形をつくる。その状態からテークバック、トップ、ダウンスイング、インパクト、フォローをゆっくりと連続運動させる。
壁につけるのは、頭でなく「額」。こうすると当然、壁を見ることになる。視線が前を向くので直接、床を見ることはできない。
実際のアドレスの姿勢もこれと同じで、後頭部の髪の毛を後ろに引っ張られるような感じで構え、「下目遣い」でボールを見ることになる。
額を壁につけたとき、上半身を反るようにする。いわゆる背中が曲がった状態ではなく、逆に背骨を「く」の字に体の前方に押し込む感覚になる。
この2つができると、後頭部から尾てい骨部にかけて1本の線が出来上がる。このときさらに「お尻の……を後ろに突き出す感じ」と、独特の表現をしたりした。
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プロの方でも、壁に頭をつけろとおっしゃる方がおられますが、中部さんは「額」というところが違い、これが独特のやり方ですね。
スイングすると、非常に窮屈ですが、それがスイングの基本。
そこから如何に自分のパフォーマンスを出しやすいところまで持ってゆくかというところが肝心なところかな、と思います。
パットも中部さんは同じような姿勢でなさってましたが、我々はもう少し頭を下げてボールを見る形になるかと思います。
中部さんのこころは「軸をしっかり作ってその軸を崩さずに」ということだと理解していますがいかがでしょうか。今でいう体幹。ゴルフ界で体幹という言葉がない頃から、そこを意識されていたんですね。
なお、軸を作るときは丹田に注力、丹田が意識しずらい方は腹腔全体に注力する意識でやると背骨がしっかりと納まると思います。