「ジャンケンで手を1つしか出せないヴェルディに、余裕を見せつけたジュビロ」J1参入プレーオフ決定戦 ジュビロ磐田-東京ヴェルディ1969

とうとうJ1・J2入れ替えプレーオフも今日の試合で最終決着、磐田とヴェルディの入れ替え決定戦。ヴェルディが勝てば、11年ぶりのJ1復帰となる。

ホームのジュビロは1トップが小川、2列目にアダイウトン、大久保、山田を並べた4-2-3-1。ヴェルディはドゥグラスの1トップに、佐藤と林をシャドーに並べた3-4-2-1のフォーメーション。

試合はまずホームのジュビロがハイプレスを仕掛ける。小川と大久保で3バックにプレッシャーをかけ、ボールを奪ったら3バックの両脇のスペースに選手が入って基点を作る狙いが徹底されている。

ヴェルディは、守備で押し込まれながらも各選手が冷静に周りを見てポジションを調整しつつ5-4のコンパクトなブロックを維持しており、J1レベルのハイプレスに対しても慌てる事無く対処が出来ている。前半20分には大久保の浮き球パスから山田がシュートも上福元がコースを消してゴールを許さない。ただ攻撃は1トップのドゥグラスがジュビロの守備陣にきっちりマークされ、全く基点になれずカウンターを仕掛けられない。

そのまま試合は膠着状態に陥り、スコアが動いたのは前半39分、大久保のスルーパスに右サイドを小川が抜け出し、ヴェルディGKが飛び出したがボールに触れず小川を倒してしまいPK。これを小川自身が決めてジュビロが大きな先制点をゲットする。

ヴェルティは後半からボランチの梶川に変えて渡辺、ドゥグラスに代えてレアンドロを投入する。そして後半4分にミドルパスを受けたレアンドロが反転、この試合ヴェルティ初めてのシュートを放つ。

後半15分を過ぎると、ジュビロのハイプレスが落ち着いてヴェルティがボールを保持するようになるが、ショートパスを繋ぐどこかで精度が落ちてジュビロの守備網に引っかかり、なかなかシュートまで持って行く事が出来ない。

が、時間経過と共にヴェルディがサイドのスペースを使えるようになり、後半20分にはFKからのこぼれ球をレアンドロがPA内でシュートもカミンスキーがセーブ、この試合初めての決定機が訪れる。ジュビロも、後半31分にカウンターから大久保がシュートもクロスバーと応酬する。

そして後半35分、PAすぐ外側やや右の位置からジュビロがFKをゲット、田口が右足で蹴ったボールは壁に入ったジュビロの選手の上を通ってゴール左へと吸い込まれる。引き分けでもJ1残留が決まるジュビロにとっては、ほぼ勝負を決める2点目となった。

その後はヴェルディも意地を見せて攻勢に出るも、ジュビロはしっかり受け止めロスタイムには中村俊輔を出場させる余裕を見せ、試合はそのまま2-0で試合終了。ジュビロがJ2リーグ6位のヴェルディに対して力の差を見せつけ、無事J1残留を決めた。

ハイプレス戦術を無効化するには、サイドチェンジとポストプレイが定番の策なのだけれど、ヴェルディはどちらも精度や強度が低すぎた。ショートパスやワンタッチパスで繋ぐ能力は高いのだが、そこを逆手に取ってパスミスを誘い、セットプレイをものにしたジュビロが完全に一枚上手だったね。

それでもロティーナ監督が仕込んだヴェルディのパスサッカーは魅力的なのも確かで、来年はさらに攻撃のバリエーションを増やし、是非とも自動昇格の順位でJ1に上がってもらいたいものである。