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モブのボスはモブなのか(10)

2019-07-27 | yy69モブのボスはモブなのか


モブは眠っているのか?沸騰直前の熱湯なのか?ふつふつとたぎっているようにも見える。そういう観察の意見は多い。怖い状況なのでしょうか?
いつまでもモブが眠っているはずがない。ボスたちはいつもそれを恐れています。口には出しませんが。つまり、ボスたちは、モブの行動が自律的であるはずがない、と思っています。突然、恐怖感情が燃え上がって群棲動物のように暴走する。自律的な個人とは対極の人間像です。
そういえばマインクラフトの草食動物たちは、仲間が襲われても暴走して逃げませんね。リアリティが足りない。

少子化も平成不況もマクロの結果から後付のモデルは作れても、現場でリアルタイムな、ミクロな個人行動の予測モデルは無理です。ミクロな個人個人は意外と奇矯な、ときには奇怪な、行動を取ります。しかし集団に所属する場合、ほとんどの人は、典型的な、保守的な、つまらない行動を取ります。同調意識、社会的圧力その他、複雑なフィードバックによって影響しあっているようです。
個人行動はフィードバックによっては共振し発散する複雑系であるので、世間話やテレビバラエティやインターネット口コミの微小なゆらぎが突然発散したりすぐ収束したりして情勢を作り出す場合が多々あります。
カタストロフィックな現象は理論予測が困難です。ビッグデータから人工知能に学習させれば、いずれは、暴発的なモブの行動も予測できる、という未来予測もあります。ある程度はそうでしょう。しかしそうできたとしてもディープラーニングなど現代の人工知能の結論は、勘の良い相場師の予想のようであって、理論が分かりません。

モブはなぜ、あるシステムには安住して、その可動範囲内でルール通り競争するゲームに毎日夢中になっていられるのか?その中心に統一パワーを持つボスとそれが座るシステム、たとえば君主制、貴族制、民主制などの政権があって、それが外国からの侵略やモブ同士の暴力、恐喝、強盗などから個々のモブの生命と家族と財産を守ってくれるならば、モブはシステムに安住して真面目に生活するでしょう(一六五一年 トマス・ホッブズ「リヴァイアサン」)。








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