もしそうであれば近い将来、人は人生を持つ必要がなくなるのか?子供は大人になって人生を持つ必要がなくなるのでしょうか?
少子高齢化にその傾向が見えるような気がしませんか?
そうはいえるかもしれませんが、人がほしいものは経済性や安全や便利さばかりではない。大人の人間にとって、実際、自分の人生がどうであるかより重要なものはありませんね。
どこの国の大人でもそれぞれの人生を持ち、そのスタンダードを期待されて生きています。国は違っても社会の持続するシステムを支えるというスタンダードの条件は変わりません。
なぜ人生はこうであるのか?なぜそれはスタンダードに従うのか?
それは、そうでない人生が世代を超えては継承されないからでしょう。その社会で育てられる子供がそれをゴールとして目指し、大人になってそのスタンダードを継承するからでしょう。それでしか、社会を安定的に維持することはできない。そのことを、だれもが、実は、知っているのでしょう。
そうであるから、子供は生まれながらにして人生を持たない。それを持つことを期待され、それを持つ大人に育てられ、長い時間をかけてそれを獲得する。そのときが大人になるときです。■
(子供にはなぜ人生がないのか? end)
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