哲学の科学

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勉強が嫌いな人々(9)

2020-02-15 | yy72勉強が嫌いな人々


学生が減れば教員も減る。数が少なくなる大学教員には高い給料と研究資金を与えて優秀な人材を世界中から募集する。もちろん、ノーベル賞が取れそうな人には奨学金や生活資金を与えて大いに研究してもらう。

これはしかし、いわゆる、昔に戻れという復古主義です。今どきこんな事をいう人は少数です。しかもたいていは成功主義者です。学校に行かなくても社会的経済的に成功できる事例がある、だれにも成功の可能性は開かれている、という主張です。これは、逆にいえば、成功できない人は切り捨てられるのみ、という乱暴な意見に聞こえて多くの人に嫌われるでしょう。

政府も学習課程を改定し、役に立たない勉強を減らす方向に改革も進めています。しかし、週五日制の学校制度はしっかり維持するという前提に立っています。
勉強が嫌いな人はしなくてもよい、学校に行かずに就職すればよし、という方向への(働き方?)改革は、政府も教育界も、だれも取り組もうとしません。まずマスコミがそういう考えは拒否するようです。
勉強が嫌いな者は学校に行かなくてもよし、とはだれもいわない。むしろ、勉強が好きになれ、好きになれるはずだ、若者はぜひ学校に行って勉強せよ、なるべく上の学校に行け、そのためにどんどん学校や大学を増やしていこう、となっています。
実際、学校や大学はますます増え、近い将来、ほとんどの若者は大学生になるしかない、という時代が来るでしょう。二二歳あるいはそれ以上まで勉強は続く。それも毎日の生活で勉強最優先といわれ続ける。いわば勉強至上社会になっていく、といえます。人はだれもが、勉強するために生まれ生きていく。それはユートピアなのか?なにか、疑問ですね。






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