哲学の科学

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宇宙を俳句に閉じ込める(1)

2019-08-23 | yy70宇宙を俳句に閉じ込める

(70 宇宙を俳句に閉じ込める begin)



70 宇宙を俳句に閉じ込める


十七シラブルの詩形に宇宙を閉じ込める。しかも季語があります。

   熱燗や夫(つま)と宇宙の話など
(二〇一〇年 NHK俳句王国 中村 良子)

「科学の力はだんだん進歩して来ていますが、それは詩の世界とは関係が薄いのであります。人間を描く文学も結構でありますが、宇宙の諸現象を謡う詩もまた疎かにすべきものではありますまい。この山川雲霧、禽獣虫魚、草木花卉という横糸、春夏秋冬という縦糸、即ちこの経緯の織りなす天地を描き、その天地に情を寄する心が我が俳句への道であります。(一九五四年 高浜虚子「俳句への道」)
天地に情を寄する。情の中に天地があるのか?天地の中に情があるのか?
そもそも天地とは何か?私たちは天地を知っているのでしょうか?
高浜虚子は、山川雲霧禽獣虫魚草木花卉の十二文字で天地、つまり自然や宇宙を表していますが、具体的に、私たちが見ている宇宙の諸現象を言葉で書き尽くすとしたら何文字くらいで描けるのでしょうか?
松尾芭蕉の作として残された句の総数は、九八二句。
与謝蕪村のそれは三千以上。しかもたくさんの絵を残しています。宇宙を描きつくすという意図はなかったと思いますが。
カテゴリー分けしてもいくらでも細分できるようです。たとえば、俳句の季語というものは、二千六百くらいあります(一八〇三年 滝沢馬琴「俳諧歳時記」)。インターネット世界のタグのようです。





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