哲学の科学

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私はなぜマスクをするのか(5)

2020-06-11 | yy73私はなぜマスクをするのか

あるいは単に、家こもりが好き、とか。アウトドア派がそれほど多くない、とか。アウトドア生活は実はキャンピングカーなどに金がかかりすぎるからしない、とかいう理論もできます。
逆に欧米など、マスクを嫌うカルチャーのほうが隠された特有の動機を持っているのかもしれません。
街なかに犯罪者やテロリストが多いから顔を隠すと疑われる。とか、言葉もしゃべれない下層の外国人と思われないように正面から人の顔を見て大声でハローとあいさつする習慣にしている、とか。いつでも自我を全面に出すべきだという信念、とか。これが社交好きを助長して大声での立ち話、握手やハグ、あるいは会食やパーティ、集会やデモの頻度を上げているとなると、感染拡大に貢献していると言えるかもしれません。
しかしながら結局どの理論も完全な説得力に欠ける。実は、マスク高装着率と低感染率は偶然、相関が高いだけかもしれません。パンを食べるよりもコメを食べるほうが感染率が低い、という理論はあまり言われませんが、その程度のこじつけかもしれない。マスクと関係なく、もしかすると単に、保健システムが完備しているなどで日本の老人が元気なだけ、という巷間の俗説が一番当たっているのでしょう。

さて、善男善女が必ず身に着けるマスク。
マスク装着率が五割を超えると加速度的に装着率は高まる。市場理論では暴走現象(スタンピード)といいます。スマホもそうして普及しました。いったん普及率が八割を超えると、所有している理由を考える必要がなくなります。自分だけ所有していないと不安。自分だけ身につけられないとなると外にも出られない、社交もできない。理由もなく不安になります。
何のためにつけているかは、どうでもよくなります。とにかくつける。習慣になっているというか、毎朝、顔を洗うのと同じでしょう(拙稿65章 「私はなぜ顔を洗うのか? 自我の存在論補」)。
しかし全員がマスク姿で歩いている都市の風景は、慣れてしまいましたが、あらためて見直してみると、不気味なホラー映画のようでもあります(日本社会をそのまま描けばホラーになる、と芥川賞作家が書いていましたが)。ときどき見る西洋人の家族は子供も大人もしていない。この人たちがおかしな人たちなのか?残りの全員がおかしいのか?








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