哲学の科学

science of philosophy

宇宙を俳句に閉じ込める(3)

2019-09-14 | yy70宇宙を俳句に閉じ込める


具体的な個々の観察事実から一般的な大法則を導き出す、この方法を帰納(エパゴーゲー、ラテン語inductio、英語induction)と名付けたのはアリストテレスです。科学の大原則です。
どの観察によっても、カエルの子はカエルだ。トビの子はトビだしタカの子はタカである。つまり動物の子は皆親と同じ動物になる。経験により、こういう現象が存在する。ここまでは帰納論理です。
これはどうしてか?どういう仕組でそうなるのか?生物の身体にはこの現象を実現する仕組みが隠されているはずではないだろうか?その仕組みの物質的構造を知りたい、と思います。
メンデル(グレゴール・ヨハン・メンデル 一八二二年ー一八八四年)からダーウィンを経てクリック(フランシス・クリック 一九一六年ー二〇〇四年  拙稿58章「生物学の中心教義について」)まで百年かけて科学はこれをつきとめ、DNAを発見しました。
これで帰納による仮説は証明されました。さすがアリストテレスです。帰納は人間の直感に合っています。幼児が世界の構造を理解するのも、言葉を覚えるのも、帰納による推測です。
幼児は身の回りのものを眺めたり触ったりなめたりして世界を理解する。アリストテレスもそうして宇宙を理解したかったのでしょう。
宇宙はなぜ存在しているのか?それは宇宙の隅々に存在するモノたちを詳しく観察すれば分かる。モノの目的を考えればわかる。ウニの口はフジツボを食べるために存在している。フジツボはプランクトンを食べるために存在している。プランクトンはプランクトンの子を生むために存在している。太陽は昼夜を分けるために存在している。そのように宇宙は存在している。存在の目的を考えれば理解できる。そうして宇宙のすべては分かってきます。
アリストテレスの目的論哲学です。







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