FINAL FANTASYと天野喜孝の世界展 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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池袋のサンシャインシティ文化会館ビルで開催中の展覧会、
“FINAL FANTASYと天野喜孝の世界展” に行ってまいりました。


(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


こちらは、日本はもとより海外にもその名が知られる、
画家、キャラクターデザイナー、イラストレーターの天野喜孝さんの創作に焦点を当てた展覧会です。
天野喜孝さんといえば、やはり 『FINAL FANTASY』 シリーズ。
1987年にシリーズ1作目が発売され、
それから30年以上たった現在もなお、世界中に根強いファンを持つRPGです。
もちろん 『FINAL FANTASY』 シリーズの原画は、今回の展覧会の大きな目玉。
1作目の 『FINAL FANTASY』 から、


FINAL FANTASY パッケージイラスト 1987年 363×442mm アクリル、紙
©1987 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. IMAGE ILLUSTRATION: ©1987 YOSHITAKA AMANO



最新作である 『ファイナルファンタジーXV』まで、
『FINAL FANTASY』 シリーズ関連の原画などが、約160点 (!) も出展されています。
それも、ゲームのパッケージやフィギュアとともに。




『FF』 ファンだけでなく、『FF』 を一度でもプレイしたことがある人には、胸アツな展覧会です。
個人的には、小学生時代に 『ファイナルファンタジー5』 をやりこんだ口なので、
バハムートやリヴァイアサンといった召喚獣の原画が観られただけで、バーサク状態でした。




さてさて、今この記事を読まれている方の中には、
『FF』 をプレイしたことがない、そもそもゲームに興味がない方もいらっしゃることでしょう。
そんな方でも、きっとこの展覧会は楽しめるはず。
ぜひ、“単なるゲームの原画” という色眼鏡を外して、
純粋に、天野喜孝さんのアート作品として鑑賞してみてくださいませ。




繊細な色彩やタッチ、オリジナリティあふれる世界観。
幻想画、あるいは神話画としてのクオリティに驚かされるはずです。
現在の日本で、天野喜孝さんの右に出る幻想画家はいないのではないでしょうか。
モチーフにはそこまで共通点はないのですが、
作品の持つ雰囲気は、ルドンと通ずるものを感じました (※個人の感想です)。


また、展覧会の後半では、現代芸術家としての天野喜孝さんにスポットが当てられています。
浮世絵をイメージソースにしたという 《CandyGirl》 シリーズをはじめ、



《CandyGirl》 2014年 500×500×100mm オートモーティブペイント アクリル、アルミパネル
©YOSHITAKA AMANO



『FF』 シリーズとは世界観がガラッと違う、
キッチュでポップなアート作品が多数紹介されていました。




記事の画像では上手く伝わらなくて恐縮ですが、
実際のこれらの作品は、表面がもっとキラキララメラメと輝いています。
その秘密は、車やオートバイのコーティングと同じ技術が使われていることにあるのだとか。
『FF』 の原画の淡い印象とは対照的に、オリジナル作品は物質感を強く主張していました。
2つの天野喜孝さんの世界を対比して観るのも一興です。
星


ちなみに、会場の中間には、ファンタジーコリドーなる空間がありました。




こちらは、通路を利用した映像空間で、
床面と左右の壁に、天野さんが生み出したキャラクターの映像が次々と映し出されます。
映像は前からビュンビュンと流れる速さでやってきて、勢いよく後ろの方へ。




映像の進行方向と鑑賞者の進行方向が真逆なので、
前に向かって歩いているはずなのに、あまり進んでいないような幻想的な感覚に。
ある意味、これもファンタジーでした。


 ┃会期:2018年8月10日(金)~9月2日(日)
 ┃会場:サンシャインシティ文化会館ビル3F展示ホールC
 ┃
http://amano-exhibition.jp/

~読者の皆様へのプレゼント~
こちらの “天野喜孝の世界展” の無料鑑賞券を、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
なお、〆切は、8月20日です。当選は発送をもって代えさせていただきます。




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