第百六十九話 国宝ハンター、気づく! | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

美術を、もっともっと身近なものに。もっともっと楽しいものに。もっともっと笑えるものに。

前回までのあらすじ~

酔ってるからってのを理由にして言いますけど、そろそろやめてください。
自分目線の感情だけで国宝を審議しないでください。
お前だよ、分かるやろ。省庁を五十音順に並べたとき、1番最後のな、クソが。
クソみたいな省庁が審議してさ......なんてことは、全然思ってもいないし、
そもそも、インスタグラムでライブ配信をしていない国宝ハンター・とに~。
彼は、文化庁が審査した国宝をすべて目にするべく、日夜奮闘している。
これまでにハンティングした国宝の数は、995件!
いよいよ大台が見えてきたー



当面の目標であった1000件まで、あと5件。
そこに水を差すように (?)、国宝が1件増えるというニュースが飛び込んできました。
それも沖縄の建造物。
あぁ、その1件の国宝のために、沖縄に行かねばならないのか。。。
完全ゴールまでの道のりは、また一つ遠くなりました。


とは言え、いつまでもクヨクヨはしていられません。
気を取り直して、今回は福岡県へ。




3年前に苦い思いをさせられたあの国宝を、
今度こそハンティングするべく、リベンジにやってきたのです。
本日はいつもと違って、スケジュールに余裕があるため、
余裕をもってランチを食べ、余裕をもって電車で目的地へと向かいました。

と、その車中で、ふと頭を過ったことが。

“そう言えば、福岡の他の国宝 (不定期公開) が、この期間だけ公開されてたりしないかな?”

これまで何度も近場で国宝が限定公開されていることを後で知って、悔しい思いをしてきました。
しかし、人間は成長するもの、いつまでも同じミスはしないのです。
調べてみると、太宰府天満宮が所蔵する国宝が、
12月8日~12月28日の期間限定で公開されているとのこと。
なんというグッドタイミング!
それは、太宰府天満宮に行かねば!
そこで急きょUターンし、一路太宰府天満宮へ。

取りこぼさなかった自分を褒めてあげたい一方で、
何で前日までに調べておかなかったのかと、自分を責めたくもなりました。
人間は成長するもの。ただし、徐々にしか成長しない。
そんなことを学びました。

何はともあれ、太宰府に到着。
人生初大宰府です。




太宰府の名物といえば、梅ヶ枝餅。
”右にも左にも梅ヶ枝餅のお店があるけど・・・さすがに多すぎじゃない??” とか、




“大宰府の新名物である隈研吾氏設計のスターバックスって、意外とこじんまりしてるなァ” とか、




いろいろ参道が気になりましたが、ゆっくりしている余裕はありません (汗)
なぜなら、急きょ訪れることになったから。
なぜなら、スケジュール的に30分しか滞在できないから。

取り急ぎ、太宰府天満宮を目指します。




まずは学問の神様に参拝。
次回からは、前日までにちゃんとした計画が立てられますように。




その後、宝物殿へと移動しました。




こちらでは、現在、菅原道真を主人公にした人気漫画、
『応天の門』 とコラボを果たした “応天の門展” が絶賛開催中。




その一環で、国宝の 《翰苑巻第丗》 (ジャンル:書跡・典籍) が展示されていました。
しかも、写真撮影可能です。




『翰苑』 は、もともとは中国で書かれた本。
しかし、中国にはもう現存しておらず、こちらの国宝の写本だけしか存在していないそうです。
それも、最終巻である第丗、つまり三十巻だけ。
書かれている内容は、中国周辺の国々について。
もちろん倭国についても書かれています。




それゆえ、「卑弥呼」 や 「漢委奴国王」 というフレーズが登場。
なんとも古代ロマンを掻き立てる国宝です。


国宝をハンティングしたあと、少しだけ時間があったので、境内を散策。
すると・・・




世界的に活躍する現代アーティスト、サイモン・フジワラさんの作品と出逢いました。
どうやら太宰府天満宮は、現代アートにも大きく力を入れているようです。
さらに、境内には、 イギリスの人気現代アーティスト、ライアン・ガンダーの作品も。




もしかしたら、これらの現代アート作品も、
100年後、いや200年後には、国宝に指定されているのかもしれません。


さてさて、何とか時間に間に合い、
電車に飛び乗り、地下鉄に乗り換え、バスに乗り換えて、西光寺へとやってきました。




3年前 (第百十六話) に訪れたときは、
国宝の梵鐘が、たまたま九州国立博物館に出張しており、悔しい涙を流しましたが。
今回は、ちゃんとお寺に戻っていることをチェック済。
この建物の中に・・・




《梵鐘〈承和六年、伯耆国金石寺鐘在銘〉》 (ジャンル:工芸品) はありました。




・・・・・・・ただし、ガラスに反射して、よく中は見えませんでしたが。
それでも、楽器が欲しくてショウウィンドウに張り付く子どものごとく、
べったりとガラスに近づいて、じーっと中の国宝の梵鐘を見つめてみました。




国宝の梵鐘よりも気になったのは室内。
どうして、サウナみたいな空間なのか??
国宝の有り難味が半減。いや、4分の3減でした。


今現在の国宝ハンティング数 997/1116 (1115改め)




1位を目指して、ランキングに挑戦中!
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ