人、神、自然-ザ・アール・サーニ・コレクションの名品が語る古代世界- | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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現在、“正倉院の世界” が絶賛開催中の東京国立博物館ですが、
平成館ではなく、本館の向かって右にある東洋館の3室でも特別展が開催されています。
その名も、“人、神、自然-ザ・アール・サーニ・コレクションの名品が語る古代世界-”



(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)


カタール国の王族シェイク・ハマド・ビン・アブドラ・アール・サーニ殿下が、
長年かけて収集したアジアや中南米など世界各地の古代文化が生み出した工芸品コレクション、
通称ザ・アール・サーニ・コレクションの中から、117件を厳選して紹介する展覧会です。
ちなみに、来年2020年春より、ザ・アール・サーニ・コレクションは、
パリのコンコルド広場に面したホテルに特設されるミュージアムスペースで公開されるのだそう。
つまり、フランスの皆様に先駆けての日本公開。
実は、かなり貴重な機会なのです!
正倉院のコレクションもいいけど、“ザ・アール・サーニ・コレクション” もね。
星


さてさて、そんなザ・アール・サーニ・コレクションですが、
今展では、「人」、「神」、そして、「自然」 と3つのテーマで紹介されています。
まずは、「人」。
こちらのゾーンでは、古代社会を統治していた王や有力者に関する工芸品が紹介されています。
特に印象深かったのは、日本ではこれまでほぼ紹介されたことが無いという、
ナイジェリア北部の古代文化、ノク文化のものと思われる粘土製の 《男性像頭部》




メガネをかけたら、完全におぎやはぎの矢作さん。
期間中に、『ぶらぶら美術・博物館』 で対面を果たす機会はあるのでしょうか。

他にも、絶対に 悔しいです! と言ってるオルテカ文化の 《ペンダント》 や、




黄桜のカッパのCMくらいに無駄にエロティックなエジプトの 《化粧用匙》 が印象的でした。




ちなみに。
《化粧用匙》 の後ろに見える、『ウルトラQ』 の怪獣みたいなヤツは、
実は、こう見えて、2人の人物が抱き合っている姿を様式化したものとのこと。


《飾り板》 金、カーネリアン、瑪瑙  中央アジア 前2千年紀中頃


・・・・・え~っと、どこが!?

と、ツッコみたいところですが。
それはそれとして、れっきとした純金製。
貴重な品であることだけは、確かです。


さて、続いてのテーマは、「神」。
古代社会を形成する上では欠くことが出来なかった、
人智を越えた神という存在を表現したものの数々が紹介されていました。




特に印象的だったのは、紀元前3300~2500年に、
トルコのアナトリア半島にて作られたとされる不思議な彫像です。


《女性像「スターゲイザー」》 大理石ほか アナトリア半島西部 前3300~前2500年頃


通称、スターゲイザー。
スピッツの曲を連想せずにはいられない彫像です。
なんでも張り出した頭が、少し後ろに反らされていて、
まるで星を見上げているかのように感じられるため、スターゲイザーと呼ばれているとのこと。
グレイタイプの宇宙人にも、クリオネにも見える不思議な彫像です。

また、こちらのゾーンでは、エジプトから出土した 《クラッパー》 なる楽器も紹介されていました。




どこからどう観ても、「友達の輪!」。
昭和時代の 『笑っていいとも!』 を彷彿とさせるものがありました。


最後のテーマは、「自然」。
自然というと、ジャンルはかなり幅広いですが、
本展では、主に “自然=動物” に絞って紹介されていました。




ペルーで出土した 《鼻飾り》 を筆頭に、


《鼻飾り》 金、ラピスラズリ/ソーダ石ほか ペルー 2~4世紀


素朴で味わい深い表現の工芸品が多く、




「ゆるキャラかよ。アハハハハ」 なノリで鑑賞していましたが。
よくよく見ると、こちらに展示されていたのは、すべて純金製。
見る目が一気に変わりました。


 ┃会期:2019年11月6日(水) ~ 2020年2月9日(日)
 ┃会場:東京国立博物館 東洋館
 ┃
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1979

~読者の皆様へのプレゼント~
こちらの “ザ・アール・サーニ・コレクション展” の無料鑑賞券を、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
なお、〆切は、11月25日です。当選は発送をもって代えさせていただきます。




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