浜松市楽器博物館 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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美術を、もっともっと身近なものに。もっともっと楽しいものに。もっともっと笑えるものに。

鰻とバイク、そして、楽器の街・浜松。
そんな浜松市には、日本初にして、日本で唯一の公立の楽器博物館があります。
その名も、浜松市楽器博物館




今年で開館25年目。
日本はもちろん、世界各国の楽器約3300点を所蔵し、
そのうちの約1500点を2階分のスペースを使って常設展示しています。

館内に入ってまず目に飛び込んできたのが、こちら↓




ディズニーのパレードに登場するフロートなのかと思いきや、
こちらは、サイン・ワインというミャンマーの伝統的な楽器なのだそう。
確かに、覗いてみると、中には多数の太鼓が設置されていました。




このサイン・ワインも、十分にインパクトがありましたが、
アジアの楽器コーナーには、他にもインパクト抜群な大がかりな楽器がズラリ。




この一角だけ、ミュージアムというよりも、ゲーセンのよう。
一瞬、ラウンドワンやアドアーズにいるのかと錯覚してしまいました。
中でも、特にインパクトがあったアジアの楽器は、世界最大の竹琴ジュゴック。




このサイズながら、2人で演奏するのだとか。
『東京フレンドパーク』 のアトラクションか!


このフロアには、アジアの楽器コーナー以外に、
三味線や琴など日本の伝統的な楽器を集めたコーナー、




2010年に開設されたという電子楽器展示コーナーなどがあります。




さらに、その奥には実際に音を出して楽しむことが出来る体験ルームも!




たくさんの楽器を目にして、
演奏家魂がウズウズしてしまった方は、是非このルームで発散してくださいませ。


また、ヤマハやカワイといった世界的楽器メーカーのある浜松らしく、
明治時代のオルガンやピアノなど、貴重な初期の国産洋楽器を紹介するコーナーもありました。




個人的に印象深かったのは、ろうそく立て付きのピアノ。




左右に1本ずつ。
暗い中、八つ墓村スタイル (←?) で、
ろうそくを灯しながら、演奏していたのでしょうか。
想像すると、ちょっと怖いものがありました。


さて、1階の展示フロアを十分に満喫した後は、地下の展示フロアへ。




こちらでは、アフリカやアメリカ、オセアニア、ヨーロッパの楽器が一挙大公開されています。





特に圧巻なのは、ピアノやチェンバロといった鍵盤楽器のコレクション。




その歴史的価値もさることながら、
美術品としての価値も十分に高い鍵盤楽器が、ごろごろと展示されています。




なお、それらのコレクションの中には、ヴァージナルもありました。




なるほど、これが本物のヴァージナルか!

思わずテンションが上がってしまいました。
というのも、実は、ヴァージナルといえば、
来年、国立西洋美術館で開催される “ロンドン・ナショナル・ギャラリー展” で、
フェルメールの 《ヴァージナルの前に座る女》 が初来日を果たします。




しかし、実物のヴァージナルを見る機会なんて、そうそうないので、
“なんとなく、オルガンみたいな感じなんだろうなァ” と想像するしかありませんでした。
美術品に描かれた楽器の実物を目にすることが出来る。
そういう意味では、美術が好きな人にもオススメのミュージアムといえましょう。
アートテラー的には、太鼓判。
星星


ちなみに、ルーヴル美術館のコレクションの中で、
最大サイズの作品として知られるヴェロネーゼの 《カナの婚礼》





そのセンターの男性が演奏している不思議な楽器は、
トランペット・マリーンというそうで、その実物も展示されていました。




弦楽器なのに、トランペットのような音がするから、トランペット・マリーンとのこと。
ヘッドホンを使って音色を聞くことが出来たので、
聞いてみたところ、確かにトランペットのような音でした。
だったら、トランペットで演奏すればいいじゃん!


他にもまだまだ紹介したい楽器はありますが、





キリが無いので、最後に1つだけ。




こちらは、ペルーのチャランゴという楽器。
アルマジロの甲羅をそのまま使った、ビジュアルにパンチがある楽器です。
この甲羅の部分を、ギロのように擦って音を鳴らす楽器なのかと思ったら。
どうやらこの裏側に弦が張ってあり、マンドリンに近い楽器なのだそうです。
こんな楽器になるために、アルマジロは甲羅を進化させたわけではなかろうに。




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