美女に関する説 第3弾 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

美術を、もっともっと身近なものに。もっともっと楽しいものに。もっともっと笑えるものに。

アートテラー・とに~が信じる美術に関するを検証していく企画。
それが、『水曜日のアートテラー』 です。

水曜日



今回は、過去2回お届けした “美女に関する説” 、
その最新版となる画期的な説を発表したいと思います。
名画の美女の美人度を3割増する方法として、
第1弾では、名画の美女にメガネをかけてみました。





続く第2弾では、名画の美女をアプリを使って笑顔にしてみました。





美人度がアップする方法なんて、
もう他には無いだろうと思っていたのですが、
先日、画集をパラパラと眺めていた時に、ある事実に気づいてしまったのです。
《モナ・リザ》《真珠の耳飾りの少女》 も、《ヴィーナスの誕生》 のヴィーナスも。






名画に登場する美女たちのお顔には、
揃いも揃って、アレが一切無いということに。

ということで、今回僕が提唱する説はこちらです。




松嶋菜々子さん、蒼井優さん、波留さん、白石麻衣さん、
最近では取ってしまったようですが、宮沢りえさんをはじめ、
ホクロがチャームポイントな、いわゆる “ホクロ美人” はたくさん存在しています。
が、しかし、美術の世界においては、“ホクロ美人” はほぼ存在していません。
唯一頭に浮かんだのは・・・・・・・




アンディ・ウォーホルの 《マリリン・モンロー》 くらいなものです。
とはいえ、これは、つけぼくろ。
ナチュラルなホクロではありません。


知り合いの学芸員さんたちにも協力を仰ぎ、
美術界の “ホクロ美人” 調査を進めてみましたが、やはり見つからず。
美人ではないですが、唯一見つかったのが・・・・・




江戸時代に活躍した歌舞伎役者の五代目松本幸四郎でした。
高い鼻と左眉にあるホクロは、彼のトレードマークだったそうです。

さて、さらに調査を進めてみたところ、
中世のヨーロッパでは、上流階級の間でつけぼくろがブームだったことが判明。
ロココの画家フランソワ・ブーシェの作品のいくつかで、それを確認することが出来ました。





当時のフランスでは、
つけぼくろは、「ムーシェ」 と呼ばれていたのだそう。
意味は、蠅。
白磁の花瓶に一匹の蠅が留まったように見えるため、そう呼ばれていたのだそうです。

ちなみに、このムーシェの文化は、次第にエスカレートしていきます。
あえて、つけぼくろとわかるように、たくさん付けたり、




丸だけでなく、月型や星形、馬車型のものが誕生したり、




もはやホクロなのか、フェイスペインティングなのか。
なんだか、よくわからないことになっていったようです。


と、ここで話を戻して、名画の美女にホクロを付けてみることに。
まずは、《真珠の耳飾りの少女》 を松嶋菜々子風にしてみました。




泣きぼくろがあることで、心なしかセクシーな印象に。
視線が合った際に、思わずドキッとしてしまいました。


続いて、《モナ・リザ》
波留風に顎にホクロを付けてみました。




美人度がアップしたというよりも、
優しい雰囲気がアップしたような気がします。
親しみやすさが3割増しになりました。


《ヴィーナスの誕生》 のヴィーナスは、ローラ風に。




ほくろがプラスされると、人間味が増すようです。
・・・・・・って、ヴィーナスは人間じゃないですが。


ここまでで説は立証された気もしますが、せっかくなので、ここからは追加検証。
ドミニク・アングルの 《ドヴォーセ夫人の肖像》 に・・・・・・・・




白石麻衣風のホクロを足してみました。




アリっちゃアリですが、ナシっちゃナシ。
アングルの陶器のような肌には、ミスマッチなのかもしれません。

“絵画史上、最強の美少女。” こと、
ルノワールの 《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢》 でも検証。




森川葵風に左目の横に、ホクロを付けてみました。




美少女感がよりアップしたような。
個人的には、だいぶアリです。


ロシアの画家クラムスコイによる 《忘れえぬ女》 にも・・・・・・・




ホクロを付けてみることに。




すると、薬師丸ひろ子感が3割増しになりました。


西洋美術の美女ではなく、日本美術の美女の場合はどうなるのでしょう?
喜多川歌麿の 《ビードロを吹く娘》 にホクロを付けてみます。




最初は違和感がありましたが、
見続けていると、だんだんと馴染んできました。


では、美術界のイケメンの場合は、どうなるのでしょうか?
ペルジーノの 《若い男性の肖像》 の彼に・・・・・・・・




松坂桃李風のホクロを付けてみました。




・・・・・・・・・・。
ホクロがあることで、イケメン度が増したのか、そうでないのか。
同性の僕では判別できませんでした。
女性の皆さまのご判断に委ねます。


最後に、美人度とはまったく関係ないですが (笑)。
グラント・ウッドの 《アメリカン・ゴシック》 の男性に、




あの国民的キャラクターのホクロを付けてみました。




検証結果

ホクロがあるだけで、印象はガラッと変わる。
変なおじさんは、日本が世界に誇るキャラクター。
志村けんさんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。







1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ