腰砕けで悪質な外交青書

皇紀2679年(平成31年)4月24日

日韓の「未来志向」削除 平成31年版外交青書、北朝鮮への表現抑制

 河野太郎外相は23日午前の閣議で、平成31年版「外交青書」を報告した。日韓関係について、いわゆる徴用工判決など韓国側がつくり出した数々の問題に触れて「非常に厳しい状況に直面した」と説明し、従来用いた「未来志向」の文言を削除した。他方で30年版で使った「北朝鮮に対する圧力を最大限まで高めていく」「北方四島は日本に帰属する」の表現を省いた…

(産經新聞社)

 産經新聞社がいたずらに安倍政権を批判したくないのは分かります。自社の悪事は棚に上げて他を誹謗中傷しまくる朝日新聞社とは違いますから。

 しかし、産經とて駄目なものは駄目だと書いてきたはずで、平成三十一年度版外交青書で「北方四島(本当は千島列島全島と南樺太)は日本に帰属する」の表現が省かれたことを徹底的に批判しなくてどうしますか。

 日韓関係が最悪なのも北朝鮮(とその背後にいる中共と北朝鮮工作員の韓国大統領)が原因であり、対朝圧力を削除させた青書は、まるで文在寅大統領がまとめたもののようです。北朝鮮に誤ったメッセージを発し、関係改善をうたわれた中共が邪な笑みを浮かべ、「未来志向」を削除された文政権にとっても悪くないと思われるでしょう。

 誤ったメッセージといえば露国に対しても同様であり、この腰砕けぶりこそが「日本はますます日露講和(日露平和条約の締結)に本気でない」と思わせるに十分でした。露国に対して配慮したとは思われず、外務省は相変わらず米国の顔色しか気にかけていないと勘繰られるのです。

 本気で領土帰属の問題を解決して講和の決着を見るというのであれば、決して「日本に帰属」の部分を削除してはいけません。それが分からないまま何度ウラジーミル・プーチン大統領に会っても、一切何ら解決しないのです。

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『腰砕けで悪質な外交青書』に1件のコメント

  1. きよしこ:

    ネット上では韓国に対し最早「未来志向」という完全に形骸化した文言を削除したことに対する歓迎の声が多いのですが、やはり北方領土の帰属が外されたことと北朝鮮への圧力に関する記述が為されなかった事は特に拉致被害者御家族の心情を思えば強い懸念を示さずにはいられません。政府が「急がば回れ」といった感じの緻密な戦略でも隠していると願いたいものですが、いずれにせよ占領憲法の問題に踏み込まない限りは何年経っても「外交上の配慮」という単なる問題の先送りからは逃れられません。