消防庁の隊員が救助中に…

皇紀2679年(令和元年)10月16日

福島・いわき市 東京消防庁のヘリが救助中の70代女性を誤って40メートル下に落下させて死亡させる

東京消防庁会見 ・本来であればホイストフックにかけるはずのハーネスのフックを取り付け忘れ(もしくは誤脱)て吊り上げてしまった ・本来なら要救と一緒に吊られる救助隊員がフック2つ(自分の分と要救の分)を取り付け、地上に残る補助の隊員が確認するが吊り上げる隊員と地上の隊員ともに確認作業を怠った ・落とした隊員のハーネ…

(YouTube)

 まず、上記動画は視聴に際して年齢制限(一部の視聴者には適さない可能性)があります。ご了承ください。

 東京消防庁を管轄する高市早苗総務相が会見でお詫びされましたが、現場の切迫した状況に於いて隊員があってはならない間違いを犯したことは、亡くなられた女性とそのご家族の立場からはとても許されません。

 一方で、台風19号による被害があまりにも広範囲に及び、少ない隊員で多くの国民を救わねばならなかったことを考えれば、隊員たちのこの間違いをそう苛烈に責め立てることができるでしょうか。ともすれば、救助に当たったこの隊員は、今後その生涯に於いて最期まで悪夢を見続けることになるかもしれないのです。

 私たち国民は、そのような消防士およびハイパー・レスキュー隊員、自衛隊員、警察官、海上保安官たちに身体・安全・生命・財産を守られており、行方不明者捜索で見つからなかった場合などを含め、救助に失敗した場合の彼らと私たちとのコミュニケーションをどう図るか、極めて辛いことですが考えておかねばなりません。

 この悲しい事故で思い出したのは、昭和六十年八月十二日に起きた日本航空機123便墜落事故です。翌日になってようやく助け出された五百二十四名中のたった四名の生存者(いずれも女性の乗客)は、陸上自衛隊空挺団の隊員に引き上げられ、地獄と化していた山中から都内へとヘリで帰りました。

 引き上げる際、空挺団の隊員は敢えて命綱をつけなかったのです。なぜなら、要救助者の体に刻まれた無数の傷にハーネスが食い込むことを避けたかったからであり、隊員は自身の体で彼女たちを必死に包み込みました。

 五百二十名もの人びとが既に人の姿をしていないご遺体となってあちこちに散らばっていたあの山で、スゲの沢から墜落(機体の衝突)現場だった尾根の上までヘリに乗せるべく地元の消防団の方がたと彼女たちを担いだ自衛隊員は、よくもあのようなこの世の地獄でその判断ができたものだと思います。

 つまり、今回のことはあまりに口惜しい事故なのですが、隊員の間違いを非難するのはたやすいことであり、現場には再発防止を徹底していただいた上で、私たち国民は災害救助の将来(その捉え方そのものと人員確保などの問題)について考えなくておかなくてはならないのです。
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 第十一回 救国の提言講演会<東京>が令和元年10月27日(日曜日)午後18時より、文京区シビックセンターでの開催と決まりました。詳細は後日、お知らせします。

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『消防庁の隊員が救助中に…』に2件のコメント

  1. 心配性@我は蛮夷なり:

    痛ましい事故により犠牲になられた方のご冥福をお祈り致します。
    今回被害が広範囲に及んでおり、いまだ全容がつかめない状態かと思います。
    救助する側も「人手不足」が深刻なのかも知れません。
    いずれにせよ、被災地の一日も早い復興を願います。

    ところで、八ッ場ダム大活躍でしたね。
    利根川の氾濫をギリギリで防いだと称賛されています。

    幸い大惨事は免れましたが、それでも、利根川の氾濫が「完全に」防げたわけではありません。
    利根川河口周辺などでは満潮時と重なったことや、支流が逆流したことで、冠水や浸水の被害が相次ぎました。
    「八ッ場のおかげで氾濫が(完全に)防げた」と喧伝する方も散見されますが、やや誤解を招く表現かも知れません。
    何事も冷静に分析することが大事だと思います。

  2. きよしこ:

    わざとかどうかは知りませんが、動画のタイトル「死亡させる」には悪意を感じますね。必死で救助に当たった隊員が恐らく「自らのミスで自分の手元から女性が40mもの高さから落下した生々しい映像」と一生戦い続けなければならないことの重さは、犯したミスの大きさとは別に周囲(特に報道権力)も相当な配慮が必要です。余談にはなりますが、「マンチェスター·バイ·ザ·シー」という映画の主人公を想起しました。どうか特にSNSでありがちな犯人特定行為等は厳に謹んでほしいと思います。

    さて、一方でこちらは徹底的に断罪されなければ、まさに我が国の報道権力による異常極まる「忖度」の賜物と指弾せざるを得ません。

    https://twitter.com/haraeiji2/status/1183944761788391425?s=19
    https://twitter.com/HUM4y2ADR2UAO67/status/1182909137622974464?s=19
    https://twitter.com/TetsuNitta/status/1183212385466605568?s=19

    簡単に言えば「喋る生ゴミ」「新潟の恥部」「女の腐ったようなクソババア」など、いくら罵詈雑言を浴びせても足りない国民民主党の森裕子が台風の前日に質問通告をわざと遅らせ官僚に嫌がらせを行った挙げ句、その質問が原英史氏を一方的に犯罪者扱いしたもので、その質問通告に関して産経の取材に対し「終わった話」などと開き直ったという話です。最後にツイートを引用した新田哲史氏が普段はとても穏やかで冷静な方であることを考えれば、彼の怒りは相当なものであると容易に想像がつきます。もちろん私も同様です。こんな輩が立法府に跋扈している限り、我が国はいつでも何度でも大規模自然災害に負け続けるのです。どうか読者の皆様にもこの事実の拡散に協力して頂ければと思います。