「今日は珍しい車です。」
駐車場でそう言われて、目の前にこの車がやってきた時・・・正直・・・車名が分からなかった。
「スズキの・・・確かなんだったっけ?軽自動車でヒットしているやつの大きい版ね。」
「スズキのクロスビーという車です。珍しいでしょう?レンタカーでこの車両。」
確かに初めてだよ。っていうか、あんまり街中でも見ないような・・・
今回、写真はこれだけなんです。たくさん撮ったのにこれだけ・・・
デジカメのSDカードがエラーになっていて、最初の一枚以外、記録されていなかった。
なんかね。
「スズキのこの手の大きさの車両って言ったら、まずスイフトだろう。で、最近はなんていったか・・・でかいワゴンRみたいなやつ・・・え〜と・・・そう!ソリオってやつだよ。で、このクロスビーとかってやつは・・・どんな位置づけなんだ?」
よく分からん。と思いながら運転開始。
だって、走りのスイフトにベタベタの実用車のソリオがあるんだよ。このはんだか箱形の車は・・・隣に止まったADバンと比べてもさあ・・・5ナンバー枠に入ってないってことじゃん。車高が上がっちゃって。いわゆる”なんちゃってSUV"の一群なんだろ?立駐に入れるときに気を遣うというか、あのジムニー(&ジムニーシエラ)があるスズキで、なんでこの企画なんだ?
そう思いながら、高速道路へ。
変・・・なんですよ。この車。
すごく運転が楽。
少し車高が高くて、見晴らしが良い。ってだけじゃなくて、エンジンが・・・
なにかエンジンが・・・力がある。
あ、トップスピードがどれぐらい出るかってところの馬力の話じゃないんです。アクセル全開にしたいとは思わない車。
でも、とにかく街中での信号待ちからの加速や、高速道路を一定のスピードで走っているときにすごく楽なんです。アクセルを一杯踏まなくても良いので、エンジン音が静かというか・・・”スズキの車の割には”、すごくアクセルONに対して、素直に車体がついてくる。というか・・・
貸し出された車体がAWD車だったせいなのかもしれませんが、そのAWD機構もなんちゃってSUV群と違って、ちゃんと走行モードセレクトボタンが存在しているんです。
「ベースシャーシはどっちなんだ?真面目なAWD機構が付いているから、ジムニーシエラに箱形のボディを載せたのか・・・いや、それでもこんなに静かで乗り心地がよくなるか?スイフトのAWD車に箱形ボディを載せたか?」
視界がとにかく良いです。
フロントウインドシールドが「立っている」デザインなので、額に圧迫感がないです。
それと、ボタン類とかの室内デザインが・・・こういうのを「遊び心」って言うのかもしれませんが、とにかく”無駄な曲線のパーツ”で装飾されています。
車高が高い割にコーナーでグラッとくることがないですし、一番良いと思ったのは、「ソリオのように空気を運んでいる。」感じがしないこと。
ソリオのような「背が高い軽自動車を大きくしたようなデザインの車」は、特に高速道路の走行時に「車両の重さ」と「空気抵抗」を感じる時があるんです。
このクロスビーの場合は、なにか車体に力があるような・・・
エンジンそのものなのかAWD機構によるものなのかは分かりませんが、「小さい排気量の小さな車のハズなのにとにかく高速道路の運転が楽。」
アリだと思います。
走り始めは、「この車両の存在意義は?」と頭の中をぐるぐる回っていましたが、「スイフトよりも荷物が積めて、でも、ソリオほど実用車ではなく、高速道路を運転していて、楽な小さな車。」
どうですかね?
フルモデルチェンジをして、なおも存続できるか・・・この「少し無駄がある車」を日本は容認できるぐらい、心が広いですかねえ・・・
ず〜と「どこかで見たことがあるんだよな。こういう車」感を引きずっている企画だと思っていたのですが・・・そうでした。思い出しましたよ。
ミニの胴長のやつとか、フィアット500の背が高いやつですよ。
なんかこう・・・「なんでこんなデザインなんだ?何でこんな曲線を使う必要があるんだ?」感がある一連の「車幅に対して、車高と長さがあってない2BOXカー選手権」の一群にはまる車両設定でした。これ。
「カローラよりも小さくて、でも、荷物が積めて、走りも良い車。」という定義によくはまる「うまい具合」の良い車だと思います。
燃費は、14.2km/litterでした。