朝からの風雨も止んで
晴れ間もさしてきた
昼下がり
大好きな神保町で
友達とのランチだ
会うのは半年ぶり
「私たち、晴れるよねっ」
っていいながら
いつもの出口で待ち合わせ
予約しないお店へ向かう
ひょんな出会いから6年
10歳も年下の彼女と
(彼女にしたら10歳年上の私と)
こんな長くお付き合いするとは
思ってもみなかった
そう言って顔合わせて笑った時
親友という域に入った気がしたよ
近況を話しながらのランチは
大抵食べる前に下げられる
我々のお口の優先順位は
1話す、2話す、3食べる
なんだもの
女がふたり女女
3人いなくても十二分に
姦(かしま)しいのだ
1を言えば5理解して10行動できる彼女
大学職員を経て
今は児童養護施設で働く
彼女の仕事場には
身寄りのない子供たちが
たくさんいる
母親から虐待を受けて保護された
兄弟姉妹
母親が覚醒剤で逮捕されて保護された
兄弟姉妹
母親から育児放棄された
兄弟姉妹
父親は全員違って
ほとんどが行方も不明
らしい。
最後まで面倒を見て
力尽きた母親らも
そこに来ることはない
らしい。
5人、6人、7人の兄弟姉妹もざらで
マジて避妊しろと言いたいよ。
ボソッと。彼女
不妊は聞くけど
避妊は久々に聞いたかも。
ボソッと。わたし
責任を果たせず
挫折していった大人たちと
彼らが残した
愛を貰えない子供たちが
こんなに存在する世界
社会への責任をはたし
地味にまじめに生きて
胸いっぱいの愛をあげたい
我々のような大人たちが
こんなに存在する世界
向き合うはずのベクトル
今は、まだ、平行線
この2つの世界のベクトルが
交わるような日が来ることを
心から祈りたい☆
2019.6.13 Hallstatt