映画館で月代わりに上映される「シネマ歌舞伎 」で
舞踊「鷺娘」の上映が始まりましたですなあ。
坂東玉三郎
のひとり舞台だけに、こりゃあ見に行かねばと端から思っていたですが、
なんとまあ、先に乗った徳島へのフライトで思いがけずも見ることができてしまいました。
国内線のフライトは乗っている時間がさして長くありませんので、
機内エンターテインメントを使うことはあまりない(音楽を聴くときはありますかね)ものの、
このときは「お!」と気がついてしまったわけでして。
画面が小さいのと、映画館では同時上映される「日高川入相花王」が見られないのは
少々残念ではありますけれど、この気を逃すべからじと見ることにしたのでありますよ。
玉三郎の舞踊には毎度感心しきりなわけでして、
期待は裏切られることなく「ほお~」という舞台でしたですなあ。
手の振り、返しといったあたりにはいささかの破綻もなく、
最初と最後のシーンにいかにも鷺だと見える鳥らしい動きにも違和感は無い。
3月に放送されたEテレ「にっぽんの芸能」では
玉三郎が「鷺娘」の役作りなどを語っていましたけれど、その中で
男の手は大きいので袖をうまく使って…てなことを話しておりました。
もちろん、そのとおりに袖遣いも実に見事なものながら、
男の手といっていた手そのものの動きがまたしなやかで見ている限りにおいては
それが男の手であるかどうかという意識はつゆとも立ち上ることはないのですよ。
と、いつもいつも褒めまくりの玉三郎の舞台ですが、
今回に関しては傘を取り落とす場面で「おや?」というところが。
傘という小道具の、端々までの動きを制御できないものの仕方無さでもあろうかとは
思うところながら、これまで見た舞台(全て映像ですが…)で感じたことがなかったものですから。
(個人の印象です)
これまでが余りに完全無欠とも思えるものばかりだっただけに
「こんなこともあるのだな」と思う一方で、なるほどいくつになっても人間国宝になっても
日々是精進に繋がる元でもあるのかななどと想像したり。
ということでオンフライトで「鷺娘」を見たお話でしたですが、ちょうど本日から出張で九州へ。
まずは長崎へ飛ぶフライトの中では何かしらのお楽しみに遭遇できますかどうですか。
つうことで、週末を挟んでしばしお休みを頂戴いたします。
皆様との再会は週明け水曜あたりになりましょうか。ではでは。