夕暮れの天王寺公園、大阪市立美術館から大阪メトロ谷町線を使って、宿泊先まで戻ってきたわけですが、

ところで今回の宿泊ホテル、ホテル・ザ・ルーテルと言いまして。

 

 

ホテル入口のすぐ隣に教会があって…というより、ホテルと教会が同じ建物であって、

こりゃあ関係の無いわけもなかろうとちらり、フロントで尋ねてみますと「ああ、やっぱり」と。

宗教法人日本福音ルーテル教会が経営していたのですなあ。

 

予備知識無く泊まったのではありましたが、折しも「ゲーテ街道紀行」では

マルティン・ルターゆかりのヴィッテンベルクを訪ねたりもしておりますから、「呼ばれたかな…」とも。

かようなことはともかくも「大阪歴史紀行」というテーマからはちと離れて、晩飯どころのお話を。

 

「食い倒れ」と言われる大阪ですから美味いものはたくさんあろうと思うところながら、

入ってみたのはこのようなお店、Brewpub「テタールヴァレ」でありました。

 

 

「テタールヴァレ」とは「おたまじゃくしの谷」てな意味になるようですけれど、

別におたまじゃくし料理の店であるはずもなく、HPの説明はこんなふうです。

大阪、中央区、大阪城からも近い谷町2丁目の交差点のすぐそば。 小規模のクラフトビール工場と、塊肉とビストロ料理をメインにしたビアダイニングを同じ空間に構えたお店です。

どうもベルギーに行ってブリュッセルのビア・ウィークエンドをはじめ各所でベルギー・ビールを堪能して以来、

クラフトビールが気になるようなっておりまして、ちょいちょい試すのですがなかなか感心できない。

ちょいと前に知多半田で飲んだカブトビール復刻版などは想定外の大当たりでしたけれど。

 

そんな中にあってこのナノブルワリーともいわれる小さな工場併設のお店では、

試した4種がそれぞれにキャラ立ちが見事で個性的。「これは!」と少々うなってしまいましたなあ。

 

 

左上から時計回りに「温故知新ケルシュ」、「High Five!」、「ロブストポーター」、「ロッゲンビア」というビールです。

ナノブルワリーというだけあって、一度の仕込みでできるビール200ℓばかりとか。

それだけにそれぞれが売り切れごめんで、次に寄ったときには違うラインナップになっているかもという、

この一期一会感もまた、ビールの個性に思い入れるところとなったかもしれません。

 

ちなみに個人的にいちばんのお気に入りはケルシュですけれど、

ケルシュというのはドイツ・ケルンで醸造される、要するにピルスナーであるかと、

色合い的にも思い込んでいたですが、全く違ったのですよね。エールだったのですなあ。

 

この素人的な思い違い解消が驚きとしてお気に入りになったのでもあるような。

ですが、やっぱり次に訪ねても同じ味は味わえないということで…。

 

 

ということで、かようなものをつまみとしながらもっぱらビールを楽しんだわけですけれど、

そんなほろ酔いの具合で「そうだ!大阪城はライトアップされたりるのかいね…」と思いついたのでして。

 

 

ふらりと大阪城公園を目指してみれば、お壕がこのようになっているということは当然にして…と、

まあ、そんなふうに考えるのは自然の流れでありましょう。果たして天守は…。

 

 

漆黒の闇に浮かび上がる大阪城天守。

「ほお!」とひとしきり眺めやったのち、千鳥足でホテルへと向かう道すがら、

ジョギングで駆け抜けていく人たちとすれ違ったりも。

ま、かようにして大阪の夜は更けてゆくのでありました。