ちょいと前には、富士山の湧水やら八ヶ岳の湧水を訪ねては清冽な涼にありがたみを感じておりましたけれど、
いつの間にやら秋に、という以上に寒いくらいになってきてしまいましたなあ。
とはいえ、その後のもほのかに湧水を気に掛けてはおるところなのですが、
八王子市のHPには「市内では78か所の湧水が確認されています」とありまして、
そのうちの8カ所を結んで「湧水めぐりの道」てな位置づけまでしていることを聞き及び、
出かけてみること。もっともお天気がよろしくなかったので、一カ所きりですが。
訪ねましたのは子安神社…ですが、八王子の子安神社といいますれば
JRの駅から歩いて5分くらいのところにある大きな神社を思い浮かべるものの、こちらへはバスで。
大きい方を子安神社(明神町)、訪ねた方を子安神社(中野山王)てなふうに使い分けているようです。
それでもお社はなかなか立派なものでありましたですよ。
「永禄年間(1560年頃)に北条氏照が創建」したと由緒書きにはありましたですが、
(この点、明神町の子安神社は天平宝字三年(759年)の創建といささか水を開けられてます)
北条氏照といえば八王子城ですので、地元の守り神とも考えたのでありましょう。
ところで、やはり説明書きには「境内に湧き出る清水は子孫繁栄と崇められ」たと記されておりまして、
ここの湧水が古くから恵みの水として信仰対象にもなっていたことが窺えるような。
最初の鳥居から社殿に至る間にはこのような石段がありまして、
この高低差こそが湧き水ポイントである証しともいえましょうか。
石段脇には見た目にも明らかな透明さと分かる遊水池がありましたですよ。
ところで、この神社から歩いて程ないところに中田遺跡公園というのがあるということでしたので、
こちらへも足を向けることにいたしました。最初は昭和41年(1966年)に都営住宅の建設計画に先立つ発掘調査で、
その後は近年になって住宅建て替えの際にも調査があり、遺跡と遺物が確認されたということです。
公園内は「住居址」と確認された場所に丸太の椅子みたいなものが置かれてあるのは、
他の遺跡でも見かけるところかと。ですが、解説によればここの住居跡には「縄文時代から平安時代まで」と
実に長い長い歴史を跨いで各時代の痕跡が残っているらしいのですな。
それだけ、住環境として優れていたということでしょうか。
先に見た湧水スポットが近い(たぶん他からも湧いていたでしょう)ということは、
住まいを定める上で大きなポイントだったのではと思うところです。
そんな住居址と現在の集合住宅のツーショット、思いはさまざまということに…。
てなふうに八王子に出向いたものですから、昼飯タイムには東京唯一の道の駅という「道の駅八王子滝山」へ。
久しぶりにご当地ものの「八王子ラーメン」を食したのでありますよ。
八王子ラーメンの特徴はひとえに刻み玉ねぎでありますけれど、お隣にあるセットの小丼もまた
刻み玉ねぎたっぷりの卵かけごはん、「玉ねぎライス」ということで。
まあ、おいしくいただいたわけながら、ここへきて唐突に衝撃の事実が(とは大げさけですが)。
ラーメンにもライスにもたっぷりと玉ねぎがのっかっているからには、八王子名産でもあろうかと思っておりましたが、
そうではないようで…。単にトッピング具材として目をつけたのが玉ねぎであって、名産・特産というわけではなさそうで。
実際、とある統計で八王子市の玉ねぎ収穫量は東京都内だけで比べても第3位であるそうな。
八王子市の広さ、取り分け農地面積の広さを考えれば、特に力の入った品目ではなさそうです。
それでは、八王子の特産品には何があるのか?道の駅の売店をうろうろしてみましたところ、
近年「売り」としての動きを見せているが何と!パッションフルーツであるそうな。
珍しさもあって、パッションフルーツサイダーを買ってきてみましたが、果たしてこののち、
八王子を代表する産品に成長していくのかどうか、いささか楽しみでもありますなあ。