基本的に私は早朝にブログ記事を書いているんですが、その際テレビをクラシック音楽専門チャンネルにして、BGM代わりに聴いています。
先日いつものように聴いていたら、大好きなマーラーの交響曲第1番『巨人』 が流れてきました。
なかなか良い演奏だったので、誰が? とテレビ画面を見たら、指揮しているのは、サー・サイモン・ラトル。
今年6月まで世界最高峰のオーケストラ、ベルリンフィルハーモニーの首席指揮者兼音楽監督だった超一流ですから、良い響きになるのは当然。
じゃあオケもベルリン・フィル・・・かと思ったら、画面に映ったのは何と子供たち!
ビックリして番組表を見たら、演奏しているのは8~13歳の子供たちによって構成されたベネズエラ国立子供交響楽団。
知らずに聴いていた時はブロの交響楽団による演奏だと思っていた私は、本当にたまげました。
調べてみると、何でも彼らは1975年にベネズエラの経済学者で音楽家だったホセ・アントニオアブレウ博士が音楽の社会運動と犯罪防止を目的として設立した
エル・システマ
という国民的育成プログラムに参加している子供たち。
首にかけているのは、ベネズエラ国旗の3色を表しているのでしょう。
しばらくテレビ画面を見つつ演奏を聴き入りましたが、本当に大人のオケと変わらぬ音色。
この演奏が行われたのが有名なザルツブルグ音楽祭だったとのことで二度ビックリしましたが、耳の肥えた聴衆から終了後割れんばかりの拍手が鳴り止まなかったことが、その演奏のクオリティーの高さを証明しています。
ラトルはかねてよりこのカル・システマを支援してきたそうですから、彼の優れた指導法に100人を超えるオケ・メンバーが見事に応え成長したという事なのでしょう。
2013年に行われた素晴らしいその演奏の一部を、こちらでご覧いただけます。
こんな画期的な育成プログラム、日本にはないのか? と思って調べたら、ちゃんとありました。
その名も一般社団法人エル・システマジャパン。
東日本大震災が起きた後、被災地の子供たちを支援するため2012年年3月に設立され、地方自治体との協力のもと、音楽を通して生きる力を育む事業を実施しているとのこと。
資金は募金・寄付・相馬市や駒ケ根市へのふるさと納税などで賄われているようですので、是非HPをご覧いただいた上でご協力いただきたく・・・。
http://www.elsistemajapan.org/
でも出来ればベネズエラのように、国立の子供交響楽団を作ってもらいたいですけどネ。