今日は、ゴルフという競技をメジャー・スポーツに育て上げたスーパー・スター、
アーノルド・ダニエル・パーマー
Arnold Daniel Palmer
の命日にあたります。
パーマーは世界恐慌が起きた1929年にペンシルバニア州レイトローブで5人兄弟の長男として生まれました。
父親がクラププロ兼グリーンキーパーだったことから早くも7歳でクラブを握った彼は、ウェイクフォレスト大学中退後24歳の時に全米アマでデビューし、優勝後間もなくプロ入りを表明。
ルーキーイヤーに賞金ランク32位に入った彼は、1958年にマスターズで優勝を飾ると、1960年には全米オープンを制覇。
最終日の1番ホール・パー4でワンオンに成功し、7打差をひっくり返しての大逆転優勝は、今でも語り草になっています。
そして翌年には全英オーブンに優勝しましたが、それまであまり目立たなかった全英オーブンが4大メジャーの一角を占めるようになったのは、このパーマーの優勝で注目されたからだそうな。
事ほど左様に、ボールを刻まず常にピンを果敢に攻める彼のゴルフ・スタイルは〝パーマー・チャージ〟と言われてファンを魅了し、熱烈な彼の応援団〝アーニーズ・アーミー〟が誕生。
テレビ時代の幕開けと相まって、独特で力強いハイ・フィニッシュがトレード・マークとなった彼の人気は急上昇し、それと共にゴルフ人気もアップしました。
その人気にあやかってか、1970年代に入って〝アーノルドパーマー〟という日本初のトータルファミリーブランドが登場。
1980年代に入って終生のライバルとなるジャック・ニクラウスとの好勝負を繰り返しましたが、ちょうど私が社会人になってゴルフを始めた1981年以降、半数以上のゴルファーがパーマーの傘マークか、ニクラウスのゴールデン・ベアが刺繍されたウェアを着ていたはず。
PGAツアー通算62勝は、歴代5位。
内メジャーではマスターズ4勝、全英2勝、全米1勝。
シニアツアーでもシニア・プレーヤーズ選手権で2勝、全米シニア・オープン1勝、全米シニアプロ1勝をマーク。
マスターズには74歳になるまで50回連続出場を果たしました。
現役引退後は、そのマスターズのオナラブル・スターターとして嘗てのビッグ3、ニクラウスとプレーヤーと共に登場。
また自らの名を冠したトーナメント、アーノルド・パーマー招待の会場にやってきて、続々とホールアウトする選手たちに声援を送っていましたが、今から4年前の今日・2016年9月25日・・・心臓疾患の合併症により87歳でこの世を去りました。
パーマーについての逸話は沢山ありますが、個人的に記憶に残っているのは、日本でのエピソード。
ある企業の招待で来日した彼は、長旅の疲れからか重い下痢に罹ってしまったとか。
それでも翌日のプライベート・ラウンドはキャンセルせず、昼食では下痢だと知らぬ同伴者が勧める分厚いステーキをにこやかに平らげ、5アンダーで回ったというのです。
並の選手なら身体を気遣ってラウンドしないでしょうが、さすが超一流のプロゴルファーはスポンサーやファンを最優先。
日本のアスリートにも、是非見習って欲しいプロ根性ですョネ。
ゴルフ・ファンの一人として、あらためてレジェンドのご冥福をお祈り致します。