深夜
よく知らない場所で
方向音痴の自身が
したたかに酔い
とぼとぼ歩くと
頼りになるのは
握りしめる液晶の地図
暗い場所では、光る地図が頼りだが
あたりを見回し、遠くに灯りが見えてくると
なんとか、その灯りに向かっていくのが自然
そこの角を曲がったり、目の前に現れるネオンの灯りを見上げ
さらに階段を上ったり
自信なさげだが
想う灯りに辿り着こうとする
虫のように、生きる頼りがそこにしかないように
ひとは、闇には向かわず
灯りに向かって
その時だけは一生懸命歩く
黄昏のビギンーちあきなおみ