2020年 F1バルセロナテスト1回目:総合タイム&周回数・走行距離
2020年のF1世界選手権に向けた最初のF1プレシーズンテストとなる1回目のバルセロナテストが終了した。

2月19日(水)から2月21日(金)の3日間にわたってスペイン・バルセロナのカタロニア・サーキットで行われた1回目のバルセロナテストは、気温は低かったものの、対照的に全日程で好天に恵まれた。

F1バルセロナテスト1回目では、メルセデスのペースが際立った。バルテリ・ボッタスとルイス・ハミルトンがタイムシートの上位で週を終えた。メルセデスはアルファロメオとともにピレリの最も柔らかいC5タイヤでアタックラップを行ったチームであり、バルテリ・ボッタスは3日目の午前中に1分15秒732をマークし、早くも昨年のF1スペインGPで自身が記録したコースレコードに0.326秒差に迫った。午後には1分16秒516でベストタイムを記録している。

特に最初の1週間は、タイムシートを読むことに意味はないかもしれないが、メルセデスは3日間のセッションを通して、速さだけでなく、信頼性も高いことを証明している。

木曜日の午後にバルテリ・ボッタスの電気系なトラブルで走行距離は削減された、メルセデスは3日間合計で494周と最も多くのマイレージを重ねた。各テストが1日長かった昨年と比較してわずか116周すくないだけだ。

さらに、バルテリ・ボッタスのペースは総合タイムだけが際立っていたわけではない。最終日の午前中には1分15秒秒と1分16秒台をコンスタントと出し、メルセデス W11から予選ラップで容易にペースを解放できるポテンシャルがあることを強調した。また、初日にルイス・ハミルトンがC2タイヤで最終日の自分のタイムからわずか0.4秒差を叩き出した点も興味深い。

一方、この段階ではレッドブルがメルセデスに最も近いライバルのように見える。チームはこれまでのところ手の内を明かしていないが、粗い縁石や低速コーナーの第3セクターではRB16が優れたハンドリングを披露している。ホンダのF1エンジンも高い信頼性を示しており、1チームあたりの走行距離の平均ではホンダ、ルノー、メルセデス、フェラーリの順位となった。

2番手タイムは、アルファロメオ・レーシングのキミ・ライコネンが記録した1分17秒091。アルファロメオ C39は昨年のC38に比べてかなり改善されているようで、ライコネンは2019年と比較してブレーキでの苦労が少ないようだった。アントニオ・ジョビナッツィは全体で4番目の走行距離を稼いでおり、信頼性面も確保されている。

だが、3番手のエステバン・オコン(ルノー)それよりも固いタイヤで1分17秒102を記録している。ライバルのルノーのパフォーマンスは、良好であり、復帰したばかりのエステバン・オコンも錆びついていないことを証明した。最終日にルノーは169周を走破している。

ルノーやアルファロメオとミッドフィールドでライバルになりそうなのが、新生アルファタウリ・ホンダだ。レッドブル・ホンダの昨年マシンRB15から多くのパーツを流用したAT01でダニール・クビアトが総合7番手タイムを記録している。

昨年4位のマクラーレンはそれほど目立ってはいなかったが、MCL35は信頼性が高そうであり、チーム代表のアンドレアス・ザイドルもマクラーレンの進歩に満足しているようだ。

だが、最大の話題の1つは、レーシング・ポイントF1チームの『RP20』の登場だった。RP20は、昨シーズンのメルセデスのW10とは多くの類似点を持っている。テスト初日がシェイクダウンだったにも関わらず、セルジオ・ペレスとランス・ストロールは5番手と6番手という好タイムを記録。信頼性への懸念もほとんどなかった。

一方、フェラーリはやや問題を抱えているように見える。シャルル・ルクレールは初日に昨年のようなパフォーマンスを披露できなかった。また、最終日にはセバスチャン・ベッテルがエンジン問題によってストップし、チームはエンジンモードを下げたように見えだが、まだ何か不足しているように見える。ベッテルもルクレールも1分18秒の壁を突破できておらず、SF1000にはタイヤに厳しい傾向が見受けられた。

2020年 F1バルセロナテスト1回目 総合タイム

順位ドライバーチームタイムタイヤ
1バルテリ・ボッタスメルセデス1分15秒732C5Fri
2ルイス・ハミルトンメルセデス1分16秒976C5Wed
3キミ・ライコネンアルファロメオ1分17秒091C5Thur
4エステバン・オコンルノー1分17秒102C4Fri
5ランス・ストロールレーシング・ポイント1分17秒338C4Fri
6セルジオ・ペレスレーシング・ポイント1分17秒347C3Thur
7ダニール・クビアトアルファタウリ・ホンダ1分17秒427C4Fri
8アンドニオ・ジョビナッツィアルファロメオ1分17秒469C4Fri
9マックス・フェルスタッペンレッドブル・ホンダ1分17秒516C3Wed
10ダニエル・リカルドルノー1分17秒574sC3Fri
11ピエール・ガスリーアルファタウリ・ホンダ1分17秒783sC2Fri
12カルロス・サインツマクラーレン1分17秒842C2Wed
13アレクサンダー・アルボンレッドブル・ホンダ1分17秒912C2Thur
14セバスチャン・ベッテルフェラーリ1分18秒154C4Thur
15ジョージ・ラッセルウィリアムズ1分18秒168C3Wed
16シャルル・ルクレールフェラーリ1分18秒289C3Wed
17ロマン・グロージャンハース1分18秒380C3Fri
18ニコラス・ラティフィウィリアムズ1分18秒382sC4Wed
19ロバート・クビサアルファロメオ1分18秒386C3Wed
20ランド・ノリスマクラーレン1分18秒454sC3Fri
21ケビン・マグヌッセンハース1分18秒466C3Wed

ドライバー別 周回数&走行距離

順位ドライバー周回数走行距離
1ルイス・ハミルトン2731270.815 km
2マックス・フェルスタッペン2541182.370 km
3カルロス・サインツ2371103.235 km
4アンドニオ・ジョビナッツィ2311075.305 km
5バルテリ・ボッタス2211028.755 km
6アレクサンダー・アルボン2171010.135 km
7ピエール・ガスリー206958.930 km
8ロマン・グロージャン206958.930 km
9セルジオ・ペレス203944.965 km
10ダニエル・リカルド190884.450 km
11エステバン・オコン190884.450 km
12ジョージ・ラッセル189879.795 km
13ランド・ノリス186865.830 km
14シャルル・ルクレール181842.555 km
15ダニール・クビアト178828.590 km
16セバスチャン・ベッテル173805.315 km
17ランス・ストロール168782.040 km
18ニコラス・ラティフィ135628.425 km
19キミ・ライコネン134623.770 km
20ケビン・マグヌッセン110512.050 km
21ロバート・クビサ59274.645 km

チーム別 周回数&走行距離

順位チーム周回数走行距離
1メルセデス4942299.570 km
2レッドブル・ホンダ4712192.505 km
3アルファロメオ・レーシング4241973.720 km
4マクラーレン4231969.065 km
5アルファタウリ・ホンダ3841787.520 km
6ルノー3801768.900 km
7レーシング・ポイント3711727.005 km
8フェラーリ3541647.870 km
9ウィリアムズ3241508.220 km
10ハース3161470.980 km

エンジン別 周回数&走行距離

順位メーカーエンジン周回数走行距離
1フェラーリ06511895534.795 km
2ホンダRA620H10945092.570 km
3ルノーE-Tech 208553980.025 km
4メルセデスM11 EQ Power+8033737.965 km


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カテゴリー: F1 / F1レース結果