新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

MMR後のCML治療:ISがどんどん下がらなくても焦らずに

2019-05-31 05:50:55 | 医学系

おはようございます。

 

先日も講演会の話をいただき、来月もweb講演会のお話をいただき、その準備でパタパタしております。

それが終わったら7月の話がきているので、その合間に4冊目の本の準備や論文をまず一本書こうと思っていますが、なかなか準備ができず。

 

主治医になっている患者さんの数も増え・・・(汗

先日2人退院したと思ったら2人入ってきて〜。さらに今日、明日とまた入院があるので、入院患者さんの人数もだいぶ増えました。

 

さて、先ほどコメントでIS 0.01%が0.02になったことの不安の話がありましたので、少しだけこの辺りのことを書いてみようかと思います。

時間の関係でさらっと。

 

これはCML治療でのαスロープ、βスロープというやつです。最初の腫瘍量が多くてよく増えているときは、チロシンキナーゼ阻害薬を入れることで良く腫瘍は死んで行きます。最初の急激な低下αスロープです。

 

ただ、MMRを達成するとこれが緩やかになります。CML-Ampの時代も「Ampが50未満からなかなか下がらなくなった」と思っていたことがありますが、ゆっくりじわじわと下がってくることが多いです。

 

このゆっくり下がる段階がβスロープと言われています。僕の感覚だとIS 0.02あたりからはゆっくりです。一気に下がっていく人もいますが、昨日たまたま見ていた昨年初診できたCMLの方のカーブを見ているとIS 100%前後から3ヶ月で4名とも1%前後でしたが、そこからは次の3ヶ月で0.01-0.06%の間です。

 

このまま下がりトレンドで行く人もいますし、フラフラする方もいます。ただ、上昇傾向になった(僕の場合は3point確認します。明らかに増えたかもと思ったら翌月もIS測ります)場合は注意が必要です。

 

ということで、MMR未満になると0.01前後でフラフラすることはありますので、明らかに上昇傾向にならなければ焦る必要はないと思っています。IS 0.01%って昔でいうCML-Ampの5前後(検出感度ギリギリ)です。昔だったら「すごくいい状態ですね。このまま頑張りましょう」と言われるレベルです。

 

参考になれば幸いです。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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それでは、また

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2 コメント

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Unknown (女王様)
2019-06-05 00:23:38
参考になります。 というか勉強になります。
つい 倍になったと考えるとジワジワ増えていく一方なのでは? と心配になります。
腎臓はユルユルと少しづつ落ちて ある時からガクッと崖をころがり落ちるように急速に機能しなくなりました。
ISがそうならないことを願うばかりです。
考えてみれば まだタシグナ200を1錠だけなので増やす余地もあるし 引き延ばしてるうちに新しい薬も出るかも知れない。
なっちゃったモノは仕方ないのだから なるべくポジティブに長期戦を乗り越えようと。
6月は宣告され治療を始めてから6年目に入ります。 振り返るとあっという間だけれど 6年先なんて当時は見えませんでした。
我ながらよく頑張ったで賞、です。
次は10年生存を目指して!

文字通り 日進月歩であのヤマトノリが造血幹細胞とは、まさに目からウロコですね。
職場のアラビックヤマトのデカボトルを眺めて まさかコレがたくさんの命を救うかもしれないとはヤマトノリさんも考えもしなかったろうなぁ と不思議な感じがします。
たくさんの研究者や医師のおかげで 死なない病気になったんですね。
本当に「今」罹患したのは不幸中の幸いでした。

新しいおうちに入ってもう1ヶ月ですね。 少し落ち着いて片付いたでしょうか。
これからはお嬢様たちとお庭で花火をしたり ビニールプールで遊んだり楽しみが増えますね。
たくさん遊んであげてください。

私は6月解禁のアユ釣りに早速行って来ました。 神奈川県民の釣り好きがウズウズする季節です。
たった2匹だけでしたが アユの一生を考えたら急にいとおしくなってしまい、その場の塩焼きは妙にかわいそうになってしまい うちの水槽で泳いでます。
美味しく頂くのも 命のありがたさなんですが‥。

次の著書、コンセプトはなんでしょうか。
たくさんの若い医師のためになるよう 手にとってもらえるといいですね。
今度は 「白血病はもう死なない!」 とかお願いします。
まだまだ世の中的には誤解されていますので。
上半期もあと少しです。 無理なく充実したお仕事ができますように。
10年をまずは目指して (アンフェタミン)
2019-06-09 12:25:53
>女王様さん
こんにちは、コメントありがとうございます。

ISに関しても急に悪くなることはあるのですが(sudden BC)、一般的には内服を継続している限りはMMR(IS<0.1)までくれば、再発や信仰の可能性は低いとされています。

そのため目標の1つがMMRになります。

ヤマトノリですか。見ましたが、びっくりですね。
実用化までは時間がかかると思いますが、夢のある話が増えてよかったと思います。

ビニールプール。梅雨が明けたら使えるようにしないといけないですね。買いに行こうかしら・・・。

アユ、食べずに育てているのですね。あゆを育てるのは大変そうだと思いますが(金魚でも大変)、頑張ってください。

次の本は残念ながら若手医師向けの病棟管理の本になりそうです。自分が教えられるポジションになるのが一番良いと思うのですが・・・。

また、コメントいただければと存じます

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