新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

1つの夢:医局の垣根を超えた人を循環できる新しい病院・血液内科を作る

2020-07-08 05:22:36 | 医療

おはようございます。

 

今日は来月から新しい病院に勤務しますので、最近色々考えていることを書いてみたいと思います。

 

というか、最近ではなく、もう医者になってから10年以上ずっと考えていることです。そしてその状況は今も変わっていないというだけですね。

 

もともと僕は研究に関しては大学病院や研究機関ごとに差がなくてはならないと思っていますが、患者さんを診る診療という面では大きな違いはない方が良いと考えています。

ですので、過去にもこのような記事を書いていました。

医学部の横の連携を

医局は村社会と言いますよね

医療連携:縦と横と心

 

もう5年以上前にうちの後輩が某大学病院のやり方を学んできたとき(母校の大学病院は僕も含めて様々な病院のやり方を学んできますので、違いが良くわかります)、今までの母校のやり方と違うやり方をしていることがありました。

 

「そのやり方をしている理由は何?」

と聞くと、

「僕も知りたいと思って聞いたのですが、『これが標準だろう』と言われました」

と、答えが返ってきて、色々調べたりしたものです。

 

色々な病院のやり方の違いを知り、僕が根拠を調べることで色々な知識が拡充されてきたと思うのですが、この違いを学ぶことは本当に役立ちます。自分たちのやり方が普通と思っていたら、それ以上の発展は見込めません。

 

このブログを介して僕に相談をくださる方(なかにはメールアドレスを書かれて、オープンにできないためメールでやり取りしている方もいますが)からの話でも、色々やり方が違うことは伺えます(たまに僕が引いてしまい、セカンドオピニオンをおすすめした方もいましたが)。

 

血液内科という分野は医師の数が少なく、医局ごとの関係性がやや強いような印象を受けます。なんの分野でもそうかもしれませんが。

 

他の病院のやり方を学ぶことは自分を高めるきっかけになるものです。

 

僕も今の大学病院に来て幾つかの治療法の違いをみにつけ、自分の考え方に取り込んでいます。もちろん、論文で統計学的なものは確認した上でですが。

 

それゆえどこまでできるかはわからないですが、「医局の垣根を超えた連携が取れる病院・血液内科」を目指したいと思っています。少なくとも母校と現所属の2つの大学病院は結べますし、東京都内や自治医大さいたまとも近いですし・・・。

 

僕はいつでも「これより良いやり方があるのではないか」と思いながら診療をしています。

 

例えば標準治療で行くのか、治療反応性をみて個人ごとに対応を変える(遺伝子ではなく、治療反応性をみたオーダーメイド治療)のか・・・ということについては「標準治療で介入を開始し、治療反応性を2コース目までで確認して、このままで良いか、先々のことを見通したときにその後の方針をどうするか」を決めているので、どちらかというとオーダーメイドなのですが、これも病院ごとの考え方があります。

 

本来はガイドラインで「〇〇療法を6コース」と決められているから、その通りにやるというのが標準なんだと思いますが、それを理解した上で1ー2割の患者さんは治療法を途中で変えている、もしくはそのままにはせずに相談していると思います。これは理屈で説明できてしまいますので・・・。

 

そういうことも含めどういうやり方が良さそうか。この情報にさらに他の病院ではこういうことをしている、あそこの医局ではこんなことをしている・・・特に患者管理の面で・・・というのがあれば、どんどん取り入れていきたい。

うちが標準と思っていてはできないので、各病院・各大学・各血液内科医の違いを取り入れてより良い医療を作り出して行く。色々なところの違いを学び、新しいやり方を作り上げて行く(すぐにはできませんが)そんな病院・血液内科を作り上げて行きたい。

(国立がんセンターだと治験が多いでしょうし、第一にがんセンターのやり方を学ぶところだと思っています。それを持ち帰る。そうではなくて多くの医師と作り上げて行く病院にしたい)

 

それには10年以上かかるでしょうし、そこまでの病院を作ることを次に行く病院の管理者の方々が望んでいるかはわかりませんが、分野が限られたとしても「医局の垣根を超えて、より良いものを作り上げて行く病院」を作っていきたい。

 

これが1つ目の目標です。

 

2つ目に今お世話になっている大学病院、母校の大学病院ともに埼玉県内だけでなく全国でも血液疾患の患者さんが多い病院です。そしてそこに患者さんが集まっているわりに医師数は埼玉県は少ないですので、負担が大きくなります。その負担を多少なりとも軽減することです。

 

医療圏がこの2つの病院と重なっているので、そのエリアは対応可能にして両病院と連携しつつ両病院の負担を軽減すること

 

3つ目に埼玉県の血液内科医が大学病院以外で血液内科診療を行える病院は限られています。もし、医師がこの2つの大学病院を含め、全国から集まってくださるような病院にすることができれば、人を循環させることができるかもしれない。これは特に母校の後輩たちや今いる大学病院の若手医師で子供ができたり、大学での医療ではなく一般病院で医療を行いたいと思ったときに勤務しやすい位置にある病院(血液研修施設には早期にしたいところ)で、必要になったら大学に戻れるようにする。関連病院と言われるほど医師数を依存することはなく、色々な意味で循環させることができるような病院

 

そういう病院・血液内科を作ることができればと思っています。

 

それが大学病院というアカデミックなところから出て行き、新しい場所で「医療・教育」に関わる方法だと思いますし、私がお世話になった2つの病院にできることだと思いますし、本当に僕が思い描いているようなことができれば全国区で多くの医師・患者さんに良いことができるようになるかもしれない。

 

今はただの夢ですが、その夢を10年、20年かけて達成することを目標とし、それを成し遂げて、後世にその産物を譲って行くことができれば僕が生きている(先の話ですが、生きた)意味になるかなと思っております。

 

ということで、まずは少しずつ血液内科を作り上げていこうと思っております。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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それでは、また

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2 コメント

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いよいよ (pepe)
2020-07-31 17:46:28
いよいよ新天地でのスタートですね。ますますのご活躍をお祈りしております。
先生の夢がかないますように!
Unknown (アンフェタミン)
2020-08-04 21:30:44
>pepeさん
こんばんは、コメントありがとうございます。

いよいよ新しい場所での勤務が始まりました。まだ、小さな一歩ですが少しずつ夢を叶えるべく歩みを進めて行きたいと思います。

また、コメントいただければと存じます

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