「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの随想:富士山登山落石事故

2019年08月28日 | 時事随想

 29歳の女性が、富士山の登山中に落石に遭い死亡したというニュースを目にしました。かつて1980年富士山の山頂付近で落石が発生し、吉田ルートの登(下)山道を転がった落石が八合目から六合目にかけて多数の登山者を巻き込んだ事故がありました。この事故による死者12人、負傷者は29人を数え、国内の落石事故史上最悪の惨事となりました。登山に関心のある方は、衝撃的な出来事として記憶に残っているはずです。

 富士山が世界遺産に登録され、登山者が急増したと話題になりました。夏山の富士山登山は、比較的安全で、私自身も何度も登っていて、子どもを連れて登ったこともあります。どんなに注意をしていても、落石に合う危険が山登りにはあります。ヘルメット着用で登った方が良いのでしょうが、レベルの高い登山路を除けば、ヘルメット着用者は例外的なのが現状です。

 私が初めて白馬岳を登った時のこと、雪渓下でシートに包まれた遺体を積んだソリが降りてきたのに出会いました。シートから出ていた登山靴を見れば、明らかにかなりの登山経験者であることが推測できました。こんな場所で命を落とすとは考えてもいなかったはずです。雪渓を無音で滑り落ちてくる落石は、とても危険です。やはり白馬岳の雪渓で、私の歩いている場所からちょっと上を歩いていた女性に落石が当たりけがをしたのを目撃したこともあります。

 どこを登っていた時のことかは、思い出せませんが、垂直に近い登攀をしている時に、私の頭のすぐ横をビューと音を立てて落石が通過していったことがありました。頭を直撃したら、危険な場所であり、命拾いをしました。この落石は、私の上を登っている方が落とした落石だと思われます。自分の身の安全よりも、落石を起こさないように神経をすり減らして歩く登山路もあります。先を急ぐあまり、登山路脇を落石に全く配慮せずに無神経に歩く方も見かけます。今回の事故では、落石をしてしまったと申告した人がいたらしいのですが、事故との因果関係は不明です。

 子どもを含む家族連れや外国人観光客などの登山者も増えている富士山。夏山の富士登山は、多くの方が安易に考えていると思われます。けれども、今回のような事故が起こることがある事を、再度認識する必要があるようです。今回の事故が起きた時刻は、日の出前後のことです。私自身も初めて富士山に登って、山頂からご来光を見たときは、手を合わせて拝みました。日本一の山頂からのご来光は、それほど特別な光景です。そんな時間帯の出来事でしたが、落石だけではなく、最近は火山性の山の活動が活発となっています。御嶽山や草津白根山の噴火による人的被害は記憶に新しい出来事です。浅間山の噴火があり、焼岳の活動も活発となっていると聞きます。登山対象の山が活火山なら、注意が必要です。

 夏山登山は、私たちに掛け替えのない素晴らしい経験となります。楽しい思い出となるためにも、事故に逢わないように細心の配慮が必要であることを、再度認識した事故のニュースでした。

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