「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの随想:あっ!これは!

2019年03月24日 | 時事随想

 ヤフオクの宣伝を眺めていると、見覚えのある作品の画像が載っていました。それは、十数年前にシンワアートオークションに私が出品した茶碗でした。極めて偶然の再会でした。その作品は、備前焼人間国宝・山本陶秀の窯変茶碗でした。私自身が、東大寺学園の理事長であり大僧正・華厳宗管長・東大寺別当の清水公照さんに箱書きを依頼して、「銘 長沙」を書いて頂いた作品でした。清水公照さんとの出会いは、私がまだ三十代だった頃の話です。清水公照さんは、仏教界の重鎮でしたのでその世界では有名でした。また、書画などの創作も精力的に行っていましたので、美術に関心のある方でしたら知っている人は多いと思います。


 清水公照さんが中国で出会った長沙の風景を、この茶碗の窯変の景色を見ていて思い出したことから、この銘を箱書きしていただきました。様々なお話を伺い、思い出に残る出来事でした。その作品が、なんとオークションに漂浪しているなんて。手放した作品でも、その後幸福な環境で居てほしいと願うのが、コレクターの気持ちです。偶然の出会いで、その作品の行く末に出会いましたが、人だけではなく物との出会いも、不思議な縁を感じることがあります。

 美術品は、安住すべき所にちゃんと定まるものだと思います。日本がバブルの時代、世界から著名な作家の美術品が日本に集まりました。しかし、その作品は現在どうなっているのでしょうか。多くは再び諸外国に戻ったのでは。

 茶入れの陶秀と言われた山本陶秀。技術的に素晴らしい才能を感じます。その作品の中で、備前窯変の茶碗の風情が、とても魅力的な作品でした。いつまでもオークションの世界に浮遊しているのではなく、愛着を持って所持してくれる所有者に巡り合ってほしいものです。

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