「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの教育:子どもの人権に係わる思い出

2018年11月21日 | 教育

 子どもの人権に係わる問題が、学校現場や一般社会で今でも絶える事がありません。もう三十年近く前に、国連において採択された「子どもの権利条約」が、子どもの人権に対する見方のエポックだったと思われます。今日綴る出来事は、それよりも遥か以前の私が中学1年の時の忘れ得ぬ思い出です。

 その当時の学校現場では、今ほど子どもの人権に対する配慮は無かったと思います。教師の生徒に対する殴る蹴るなどは、日常茶飯事でした。そうした出来事を見聞きしても、教師からそうした行為を受ける生徒の方が問題だとされた時代でした。

 理科の教師にTという教師がいました。指導には熱心でしたが、つい手が出てしまうこともある人でした。この教師の授業中、ある生徒に茶化すような言い方で注意を与えました。その言葉の中に、その子の人権に係わる言い回しが含まれていたように思います。その生徒は、私とは同じ小学校出身で、かつ4年から6年まで同じ組でした。今思えば、ちょっと学習障害があったような生徒でした。

 その茶化すような言い方を聞いた同じクラスのKという生徒が、そのTという教師に向かって、言い方を訂正しその生徒に謝るように要求しました。たぶん、その教師の次に驚いたのは、私だったと思います。Kという生徒は、異なる地域からその中学に入学した生徒だったので、茶化された生徒を守る役割は、小学校時代同級でおまけにクラス委員でもあった私自身だろうと思いました。Kの勇気と見識に、私は圧倒された思い出です。

 Kとは、親友として高校まで一緒でした。Kは大学教員となり、今では国立大学の学長となっています。おまけに彼の大学は、国立の新構想教育大学であり、学校教育に関する理論的・実践的な教育研究を推進する場です。教師は、生徒の人権に対する認識をしっかりと持っていなければならないことを、Kは中学1年にして認知していたのでした。驚くべきことです。蛇足になりますが、注意を受けたこの生徒は、中学を卒業して働き始め、何年か後に海水浴場で溺死したことを知りました。今でも愛嬌のある顔が思い浮かびます。

 今年は、スポーツ界で様々な問題が起きた年でした。学校においても、部活動に係る指導現場で、まだまだ古い慣習から抜け出せずに問題が起きています。今一度、子どもの人権・子どもの権利をしっかりと認識して教育現場に携わりたいものです。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« マッキーの『四季を楽しむ』... | トップ | マッキーの教育:今年の年間ベ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

教育」カテゴリの最新記事