人間はどんな苦しい状況でも、
それを機会として肯定的にとらえ、
そこから幸福への希望を見つけ出す力を持っています。
いわば、
逆境を幸せに転化する能力を持っているのでしょう。
それは人間の持つ素晴らしい適応能力では
ありますが、
諸刃の剣でもあると思います。
逆境が、運命として避けられない試練なら、
それにチャレンジする人も称賛されるべきでしょう。
しかし、
人為的に理不尽に強制された処遇まで
肯定的に受け止めて合理化するのは
絶対に良くないと思うのです。
注意しないと人間は、生存本能として、
ネガティブな環境に適応しようとします。
たとえばストックホルム症候群のように。
幸福は主観的なものです。
それだけに、経営者や幹部は、
厳しい中にも幸福を見出だそうとする従業員に、
それが、買ってでも経験すべき苦労か、
それとも不条理な困難の押し付けなのか、
絶えず監視しておく必要があります。
また、従業員自らも適度なストレッチになる課題か、
ブラックなマネジメントによる劣悪な労働条件を安易に受け容れていないか、
自己チェックを怠らないようにするべきだと考えます。