「座りねぇ♪」
「うむ。」
男は三十郎の力を認め、
上機嫌だ。
刀を右に置き、三十郎は
座った。
「おい、梶(かじ)!」
と男が声を張り上げると、
「へ~い!」
隣の台所から返事があった。
「湯呑みだ!
湯呑みを一つ持ってきて
くれや!」
「へ~い!」
~ 続く ~
「座りねぇ♪」
「うむ。」
男は三十郎の力を認め、
上機嫌だ。
刀を右に置き、三十郎は
座った。
「おい、梶(かじ)!」
と男が声を張り上げると、
「へ~い!」
隣の台所から返事があった。
「湯呑みだ!
湯呑みを一つ持ってきて
くれや!」
「へ~い!」
~ 続く ~
ニィ!
男はいやらしい笑みを浮か
べる。今なら
どろぼうにも
なれるだろう。
男が口を開く。
「投げようと思えば、投げ
られてましたぜ?(針を)」
「だろうな。
だが相討ちだ。」
「ははは!
ちげぇねぇ、ちげぇねぇ!
気に入った!
飲みねぇ、だんな♪」
~ 続く ~
うなる白刃(はくじん)!!
三十郎の神速の抜刀術
(ばっとうじゅつ)!!
──ピタ!!
二人の動きが止まった!
息を呑(の)む!
伸ばした男の右手には、太い
針(はり)。(投げてはいなかった。)
一方、三十郎の
斬鉄剣は、男の首を
捉(とら)えていた。
(しかし寸止(すんど)めだった。)
~ 続く ~
。。。
男には凄(すご)みがある!
人を圧倒するほどの!
思わず
三十郎は鳥肌が立つ!
・・・。
・・・。
・・・。
右手をゆっくりと・・・・・・
刀の柄(つか)へと・・・・・・・・・・・・
とッ!!
男が右手の〝何か〟を─
投げつけて─
ブワッ!!
~ 続く ~
(むっ!)
これは殺気だ!
どす黒い〝気〟が、もうもうと
男から
放たれている!
「!!」
男が右手を懐(ふところ)に
入れた。
。。。。。
何をするつもりか?
三十郎は鞘(さや)を左手で
握(にぎ)る!
いつでも刀を抜けるように・・・・・・。
~ 続く ~