Let's get married(3) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

さくらの親戚たちは・・

 

「ほぼ。 男性ですね、」

 

葦切はつくづく言った。

 

「そうなんです。 母は兄と弟がいる三人兄弟の真ん中で。 おじたちの子供たちもみな男。 その子供たちも。 みんな男なんです。 父は弟が一人いますが、そっちも子供も孫も。 みんな男で。」

 

さくらの説明そのまま

 

とにかく男衆だらけだった。

 

「だから。 それぞれのヨメを除いたら。 ほぼ私と母くらいでしょうか。 そして祖父の孫の中で私が唯一の女なんです。 小さい頃はかわいがられましたけどね・・」

 

さくらは祖父の遺影を見やった。

 

「そのうち。 顔見せれば『はよ嫁に行かんか』しか言わなくなって。 高校生の頃から『女は嫁の行先で人生決まるけん。 じいちゃんがいい男見つけちゃる』とか。 そればっか、」

 

そう言って笑った。

 

「・・心配されていたでしょうね、」

 

葦切は会ったことがないさくらの祖父のそんな表情が目に浮かぶようだった。

 

「こんな男どもの中にいて。 あたしはこんな性格になってしまったかもしれません、」

 

そんなさくらの姿が目に浮かぶようだった。

 

そこに

 

「ようこそいらっしゃいました。 まあ飲んでください、」

 

葦切のグラスにビールを注ぎに来た中年男性が。

 

「私はさくらの従兄の朗と申します。 どうぞよろしくお願いします、」

 

「あ、はい。 よろしくお願いします、」

 

「朗は、私の母の兄の子で、今人形師の修業中なんです、」

 

さくらが説明をした。

 

「そうですか。 博多祇園山笠の山も造られるんですか、」

 

「まだ、ちょこっとですけどね。 もう40になるのに、この世界ではひよっこ扱いです。 さくらは孫の中でただ一人の女の子でしたから、じいちゃんがさくらにだけこっそり小遣いをやったりして。 みんなからよう僻まれたもんですわ、」

 

朗は豪快に笑った。

 

「いや、あたしがかわいくて自慢の孫娘やったからや、」

 

「こうやっていっつも自意識過剰で。 憎たらしかったのう、おまえは、」

 

「お盆で親戚が集まると。 もうあたしのオンステージやった。 おじさんらもかわいがってくれて。 『あー、女の子はええねえ』って。 勉強もピアノも、運動も。 誰にも負けんよったし、」

 

さくらは自慢げにふふっと笑った。

 

「気が強かですよ。 こいつは。 気いつけてください、」

 

朗は葦切を小突いた。

 

「余計なこと言わんでええわ。 もう、」

 

さくらはコップのお酒に口をつけた。

 

「で。式はいつね、」

 

朗の言葉に、二人は思わず二度見した。

 

「は?」

 

「は?って。 もうじいちゃんが待ちかねたさくらの結婚や。 喪に服してる場合でもなかろうもん。 じいちゃんを安心させてやらんと、」

 

彼はがははと豪快に笑った。

 

さくらは男だらけの親戚の中で育ちました・・

 

 

にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村

 


人気ブログランキング

 

↑↑↑↑↑

読んでいただいてありがとうございました。よろしかったらポチお願いします!

 

 

 

 

 

斯波・萌香編ただいま連載中。毎朝7時ごろ更新していますのでよろしくお願いします!

↓↓↓

『My sweet home~恋のカタチ。4』--Moonlight blue--

 

 

 

『My sweet home~恋のカタチ。1 』 --peach blossom--

 

『My sweet home~恋のカタチ。2』 --bitter green--

 ↑↑↑

夏希&高宮編

 

『My sweet home~恋のカタチ。3』--ash gray--

↑↑↑

八神編 

 

 

過去のお話を再掲させていただいています。

 

こちらもよろしくお願いいたします。