Christmas bouquet(2) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「さくらちゃんも社長かあ・・。 なんかホント浦島太郎気分。 あの地下のレッスン場、懐かしいなあ。」

 

律はさくらの事務所をぐるっと見回した。

 

「ま、なんでもやる社長ですけど?」

 

さくらは笑う。

 

そして奏は思い出したように

 

「あ! 先生、結婚したんですよ。」

 

と律に言った。

 

「えっ!!」

 

それには驚いた。

 

「ちょっと驚きすぎじゃない・・?」

 

さくらは律をジロっとにらむ。

 

「え? 結婚? え? 誰と??」

 

「今日一番の食いつき・・」

 

さくらはため息をついた。

 

「ホクトエンターテイメントのクラシック事業部の人です。」

 

奏が代わりに説明をした。

 

「え~~? いつの間に? ずっと付き合ってたの?」

 

「律さんがパリに行ってから知り合った人ですよ。」

 

「マジか・・。 意外! さくらちゃん、一生独身だと思ってた、」

 

「失礼な・・。 あたしはいったいどう見えていたんだ、」

 

さくらは憤慨した。

 

「ちょっと、そういうことをまず連絡してほしいなあ・・。」

 

膨れる律に

 

「まあいろいろバタバタしちゃって。 急に決めたから・・」

 

さくらはそう宥めた。

 

「急にって。 まさか・・『できちゃった』わけじゃないよね・・」

 

疑いのまなざしを向けられて

 

「この年でそんなんしたら恥でしょうが。 別に理由とかないんだけど。 引っ越しのタイミングとかいろいろあってね、」

 

さくらは自分の分のコーヒーも淹れてきた。

 

「え~? どんな人~?」

 

律は奏に聞いた。

 

「す・・・っごく、優しくていい人ですよ。 穏やかで、」

 

「へえ、そうなんだあ・・。 ね、写真とかないの?」

 

「いやいや、もういいから。 あたしのことは・・。 奏はね、相変わらず彼女とつきあってるよ、」

 

さくらは自分から話を逸らすように言った。

 

「え、ほんと? あのカワイイ彼女と?」

 

律の興味が奏に移ってホッとした。

 

「え・・まあ。」

 

「そうなんだあ。 なんかみんな幸せだなー・・。 こちとら彼氏も作らないで毎日ピアノ漬けだっていうのに!」

 

ふざけてそういう彼女だったが

 

もともと才能溢れた彼女が必死に海外で頑張って結果を出していることを思うと

 

奏は少しだけ焦りを感じた。

 

 

「じゃあ、今日は律っちゃんの『凱旋帰国』祝いで。 どっかでゴハン食べようか。」

 

さくらは立ち上がった。

 

「え! ほんと? うれしー!」

 

「奏もいい?」

 

「え? あ、はい。」

 

「ねー。 旦那さん紹介してー。 会ってみたい~」

 

律が甘えるように言うと

 

「え~?ウチのダーリンはそんな人前に出さないんだからさー」

 

さくらはそう言いつつまんざらでもなさそうだった。

 

奏の先輩、律がパリから帰国しました。久しぶりの再会にみんなで食事に行くことに・・

 

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