Wish comes true(17) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「おまえ、正気か!」

 

志藤はさくらを初めて『おまえ』と言って、それにさくらはハッとした。

 

「まずは。 ダンナに言わんとアカンやろ!」

 

「彼に言ったら。 絶対に行かせてくれない! そんなん志藤さんもわかってるでしょ!」

 

さくらも負けなかった。

 

「なんでそこでキレてんねん!」

 

呆れた志藤はまたスマホを操作しようとした。

 

「嫌だって言ってんの!!」

 

さくらはものすごい力で志藤の手を押さえつけた。

 

「いたたた!!! 爪が食い込んでる!!」

 

とにかくもう

 

彼女の気の強さはわかっていたけれど、ここまで強情とは思わず志藤は大きなため息をついた。

 

彼女と仕事をし始めてから何度もぶつかることはあった。

 

本当に自分が『コレ』と思ったら絶対に曲げない。

 

説得をして頷かせようと思ったら、裁判の弁護士なみに理路整然と説明しないといけないくらいだってことも。

 

志藤が力を抜いたので、さくらも彼から手を離した。

 

例えここで止めても、葦切に彼が連絡してしまうことはわかっていた。

 

「どうして。・・あたしの気持ちをわかってくれないの、」

 

さくらは一転涙ぐんだ。

 

「わかってる。 さくらちゃんの奏に対する思い入れは。 おれでもわからんような気持ちやってことも。 だいたい。 そんな無理してな、香港行って何かあったら。 奏はどう思う、」

 

計算でもなんでもなく。

 

志藤は奏の名前を出した。

 

さくらはハッとして顔を上げる。

 

「奏が。 辛い思いをする。」

 

奏のことを言われると、さくらは徐々に冷静さを取り戻し、また涙が溢れる。

 

「香港へのつきそいは。 何とかする。 初めての海外のコンクールに一人で行かせたりしないから。」

 

志藤も落ち着いて静かにそう言った。

 

 

「あたし。 これから・・どうなっちゃうの?」

 

さくらは手で顔を抑えた。

 

「え・・?」

 

「わかってたけど。 できれば子供も欲しいし・・。 彼もいつかそうなればいいって言ってくれて。 でも。 ・・実際、そうなってみて・・。 何もできなくなっちゃうんじゃないかって。 すっごく、怖い、」

 

消え入りそうな声で不安を口にするさくらに

 

「・・そのために。 みんないるんや。 心配するな、」

 

優しく肩をぽんと叩いた。

 

「・・耕平さんには。 言わないで・・。 あたしから、言うから。」

 

ハンカチで涙をぬぐった。

 

志藤はその言葉を信じていいのか迷ったが

 

「・・わかった。 おれも奏のつきそいに関しては考えるから。」

 

彼女を信じることにした。

 

さくらは妊娠でこれからのことが一気に不安になって・・

 

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