Crystal of snow(2) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
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「ありがとう、ございます。 ただ。 思ったより早く子供が出来たので。 彼女がとても戸惑っていて。 現実と理想の間で戸惑っているというか。」

 

葦切は少し複雑そうな表情をした。

 

「仕事なんか。 どうにでもなるよ。 人手足りなかったらあたし、探して紹介するし。 奏のことだって・・志藤ちゃんいるし。」

 

南は明るく言った。

 

「さくらちゃんがおまえくらい割り切って考える人やったらな。 なんも問題ないねんけど。 で。 彼女、どうしてます?」

 

志藤はやはりさくらの状態が心配だった。

 

「つわりのような症状が出ていて、今朝もしんどそうでした。 仕事には行きましたが・・ やっぱり少し戸惑っていて、嬉しいというよりこれからどうしようって気持ちの方が強いようです、」

 

「せめて。 奏の香港行きを誰かにつきそい頼めれば、とりあえず安心しそうやけどな・・」

 

「ぼくが。 斯波さんにお願いして行かせてもらえないでしょうか。」

 

葦切の提案に

 

「・・うーん。 それは。」

 

やはり志藤は頷けなかった。

 

「あたしもなー・・ 今度の週末は真太郎と想宝の名古屋の新しい劇場のこけら落としに行くことになってて・・」

 

南も肩でため息をつく。

 

「まさか。 まだ自分が行くなんて言ってないやろな、」

 

志藤は嫌な予感がして葦切に聞いた。

 

「・・病院の先生に。 飛行機に乗ることについて聞いてました。 絶対ダメというわけではないですが、気圧の変化などでなにかしら影響があることは否定できないって言われて。 せめて安定期になれば、と言われたんですが。 こんなこと言ってはなんですが、彼女も若いわけではないので・・。 黙っていましたけど・・まだその気持ちを捨てていないんじゃないかと心配です。」

 

葦切も心配そうに言った。

 

 

 

朝からずっと冷え込んで、空も深い鼠色だった。

 

ぽつりぽつりと雨が降って来た。

 

奏のレッスンが終わって、さくらはひとつ息をついて立ち上がった。

 

「ナルも。 さよちゃんも。 ・・奏も。 ちょっと聞いて。」

 

改まった様子にみんなハッとして顔を上げた。

 

「実は。 あたし…。 子供が出来ました、」

 

意を決したように静かに口にした。

 

「え、」

 

3人はほぼ同時に声を出してしまった。

 

「正直、子供・・欲しくないわけじゃなくて。 いつかできたらなって思ってて。 まさか・・こんなに早くできるとは思ってなかったので。 ・・なんかみんなにすごく迷惑を掛けてしまうことになるんじゃないかって、」

 

それを口にすることさえ、今のさくらにはつらかった。

 

「え・・おめでとうございます・・」

 

小和は普通に感動して小さく拍手をしてしまった。

 

「それで最近おかしかったのかあ。 ほんとわかりやすく変化あるんだなー、」

 

小野塚も笑っていた。

 

奏はまだびっくりして言葉が出てこなかった。

 

さくらは自分の妊娠をみんなに打ち明けますが・・

 

 

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