Believe in yourself(3) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

さくらは慌ててスマホに飛びついた。

 

「・・律ちゃん・・?」

 

LINEのメッセージだった。

 

 

『奏は無事です。 心配無用。』

 

短い文章がつづられているだけだった。

 

さくらは慌てて彼女に電話をするが、電波が通じないところのようで全く繋がらない。

 

「って! どういうことよ! 誘拐か!」

 

さくらは思わずつっこんだ。

 

 

 

 

「もー、なんでおれまで駆り出される・・」

 

志藤は早朝からさくらから呼び出され、タクシーの中でも眠くて眠くて仕方がない。

 

「すみません・・。 志藤さんくらいの方でないと。 あちらも納得しないでしょうから・・」

 

助手席に座った葦切がすまなそうに振り返る。

 

「・・じゃあ。 志藤さんは。 奏を勝手にいじくられてもいいの??」

 

さくらは昨晩あまり眠れなかったようで、目が血走っていた。

 

「だから。 なんもわからんのやから・・。 さくらちゃん、ちゃんと睡眠採らないと身体に障るで、」

 

「んっとに・・。 自由な人だから・・」

 

さくらは窓に頭を預けて大きなため息をついた。

 

3人は神宮寺邸の前でタクシーを降りた。

 

「・・すごい家ですねえ・・」

 

葦切は門からしてすでに立派な家に圧倒された。

 

「あたしも初めて・・。」

 

さくらもそう言って、志藤をチラッと見た。

 

「あ?」

 

「・・押してよ、」

 

と小突かれて

 

「おれ? ここはさくらちゃんだろ? だいたい神宮寺邸に乗り込むって意気込んでたのはさくらちゃんやんか、」

 

「・・志藤さんは北都の常務でしょ。 インターホンは常務が押すべきでしょう・・」

 

「なにその理屈、」

 

「いいから押してよ!」

 

さくらは志藤の手を無理やり引っ張ってインターホンのボタンを押させてしまった。

 

「あ! バカ!」

 

揉めているうちに

 

「どちらさまでしょうか、」

 

声が聞こえて、さくらは志藤の背中を押した。

 

「あ、朝早くから・・すみません。 あの。 ホクトエンターテイメントの・・志藤と、申しまして。 ・・神宮寺先生は・・」

 

前に押し出されて仕方なくそう告げた。

 

「先生はまだおやすみになってらっしゃいますが。 ・・お約束はおありでしょうか、」

 

お手伝いさんだろうか、非常に怪しんでいる様子だった。

 

「いえ・・約束はしてないんですが。 ・・昨日こちらに高遠奏という私どもの所属のピアニストがお邪魔していると思うのですが、」

 

「・・私はわかりかねますが、」

 

あまりに冷たい対応に、思わずさくらが

 

「あの! お嬢さんのピアノのレッスンをしていた篠宮と申します! かっ・・いえ、高遠奏に会わせてもらえませんか!」

 

志藤を押しのけてカメラの前に出た。

 

「まだ先生もお嬢さんもおやすみですので・・。 まだ7時ですし、この時間にいらしていただいても・・」

 

返事はつれないものだった・・

 

さくらの熱量で葦切も志藤も無理やり神宮寺邸に向かわされて・・

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