Sugar time(4) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「ただいま・・」

 

帰宅した志藤は、いつもと変わらぬリビングの様子をぐるっと見た。

 

こころはソファでマンガを読み、凛太郎と涼太郎はゲームに夢中。

 

ななみは・・たぶん自室で勉強。

 

ゆうこはキッチンで料理の最中。

 

「おかえりなさーい、」

 

みんなそれぞれに夢中なのがアリアリのおざなりな『おかえりなさい』にややムッとした。

 

「ひなたは・・」

 

わかっていたけど聞いてみた。

 

「え? だから今日はお友達の家にお泊り・・」

 

ゆうこは味噌汁の味見をしながら言った。

 

わかってっけど!

 

全く娘を疑わない顔で・・

 

妻の表情を伺ってしまった。

 

 

志藤は洗面所に移動した時にこっそりまたスマホを取り出した。

 

 

しばらくコール音がしたあと

 

「・・はい・・」

 

「あ、今何してる?」

 

「えーと、」

 

 

奏は再びの志藤からの電話にやや戸惑いながら

 

「・・北都邸の地下ですけど・・」

 

そのまんまを答えた。

 

「・・あ・・そ。」

 

「あの。 何か?」

 

特に用事もなさそうなのに何度も電話をしてくる志藤を完全に怪しんでいた。

 

「や・・。 うん、調子はどうかなと思って・・」

 

とっさに適当な質問も浮かばない。

 

「まあ、まあです。」

 

ひょっとして。

 

北都邸の地下ってのがウソですぐそこにひなたがいるのではないか?

 

と、どうしても妄想してしまう。

 

これまでもひなたが友達の家に泊まることは何度もあった。

 

しかし、奏との仲が深まっていることをヒシヒシと実感している今。

 

絶対ウソついて外泊するやろ!

 

この年頃のカップルは!

 

そんな思いで頭が固まってしまっていた。

 

「どう、したんですか? なんか今日・・いつもと違う・・」

 

奏は志藤にそう問いかけた。

 

「は? あ、いや。 なんでもない。 じゃ、」

 

切ろうとしたが、

 

「・・おれは。 おまえを信じてるからな、」

 

トドメにそう言った。

 

「あ、はい・・」

 

奏は戸惑いながら頷いた。

 

 

 

「へー。 莉里香の彼氏。 真面目そー。 優しそうだし、」

 

「いかにもチャラかったらどうしようかと思っちゃったよ、」

 

「しかも。 ワセダなんてすごいね。 頭もいいんだー、」

 

莉里香のスマホをみんなで取り上げるように彼氏の写真を見た。

 

「うん、すっごく優しい。 今度、時間あったら試合も見に来るって、」

 

莉里香は嬉しそうにコタツの掛布団の端っこをイジイジした。

 

「その時紹介してよー。 んで友達も紹介してほしい、」

 

玲那はそこを強調した。

 

写真を見てニコニコしていたひなたに何となく視線が集まる。

 

「え? なに?」

 

「いつになったら彼氏の写真見せてくれるのよ・・」

 

「え、」

 

ひなたは慌ててスマホを莉里香に返す。

 

 

もう「しつこい!」とつっこみたくなる志藤の行動。さすがに奏は怪しみます・・

 

にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村

 


人気ブログランキング

↑↑↑↑↑

読んでいただいてありがとうございました。よろしかったらポチお願いします!

 

 

 

 

 

クラシック事業部創世記編ただいま連載中。毎朝7時ごろ更新していますのでよろしくお願いします!

↓↓↓

『My sweet home~恋のカタチ。8』--evergreen--

 

 

『My sweet home~恋のカタチ。1 』 --cherry red--

 

『My sweet home~恋のカタチ。2』 --bitter green--

 

『My sweet home~恋のカタチ。5』--aquamarine--

 

『My sweet home~恋のカタチ。7』--pearl white--

 ↑↑↑

夏希&高宮編

 

『My sweet home~恋のカタチ。3』--ash gray--

 

『My sweet home~恋のカタチ。6』--peach blossom--

↑↑↑

八神編 

 

『My sweet home~恋のカタチ。4』--Moonlight blue--

↑↑↑

斯波・萌香編

 

過去のお話を再掲させていただいています。

 

こちらもよろしくお願いいたします。