Sugar time(11) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

いつ寝たんだかわからないうちに

 

気が付いたらコタツで朝を迎えた。

 

ひなたはムクっと身体を起こすと

 

コタツのテーブルの上には食べ散らかしたお菓子と、ペットボトルの飲み物が。

 

そしてベッドにはここの主の玲那と莉里香がぎゅうぎゅうで眠り

 

飛鳥と晴乃はコタツに下半身を入れて口を開けて爆睡中。

 

「あー、身体痛い・・」

 

ひなたはそう言いながら伸びをした。

 

 

シンとした部屋。

 

カーテンの隙間から陽の光が差し込んできている。

 

少しずつ昨日みんなでしゃべりまくったことが脳内でリプレイされ

 

 

カナ。

 

なにやってんのかな。

 

 

急に里心がついたように奏のことを思い出した。

 

 

飛鳥は頭の周りでバタバタする音で重い目を開けた。

 

うっすらとひなたが大きなゴミ袋に散らかったお菓子の袋なんかをどんどん詰めている。

 

「・・なに? もう起きたの・・?」

 

「あ、あーちゃん。 おはよ。 あたし。 帰る。」

 

ひなたはケロっとしたように言った。

 

「あ?」

 

「お昼もみんなで食べよ、って思ったけど。 帰るね。 この辺だけ片付けたから。 あとよろしく。 玲那にもよろしく!」

 

そう言ってパーッと上着を着て小さくバイバイをした。

 

バタンとドアが閉まる音がして

 

飛鳥は上半身を起こしたままボーっとするだけだった。

 

 

 

「え? なに? こんな時間に、」

 

南は自分たちの出勤前時間にいきなりやって来たひなたに驚いていた。

 

「おはよ。 ね、カナは?」

 

「は? 奏? さっきご飯食べ終わって・・・地下じゃない? ここんとこ大詰めでほとんど地下のピアノ室だし、」

 

「行ってもいい?」

 

「・・ええけど・・。」

 

「ありがと、」

 

ひなたは満面の笑顔でそのまま、玄関わきのエレベーターに乗り込んだ。

 

 

 

北都邸の地下のピアノ室は、大きなガラス窓がたくさんあって

 

地上の光が入り込んでくる造りになっている。

 

もともと真尋の練習用に造られた部屋で、彼が閉所恐怖症ぎみ、ということで『半地下』のような造りになっている。

 

二重扉の二番目のガラス扉の前に行くと、奏がピアノを弾いているのが見えた。

 

朝日がスポットライトのように彼の横顔を照らし

 

それが本当にきれいだった。

 

まだ練習を始めたばかりのようで、指慣らしをしている音がかすかに聴こえる。

 

ひなたはガラス戸に両手を充てて目を閉じた。

 

 

あたしたち。

 

いつまでこうして傍にいられるの?

 

 

奏がどんどん階段を駆け上って行くようになって、心にしまっていたけれど

 

本当はずっとそんな風に思ってた。

 

それを考えると悲しくなるから

 

考えないようにしてた。

 

ひなたは奏会いたさに突然北都邸を訪ねます・・

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