Reflection(19) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「おれはまだ仕事残ってるから。 気をつけて帰れよ、」

 

志藤はひなたに言った。

 

「や、今やパパのが心配だからね。 じゃ、」

 

ひなたは笑って奏と一緒に帰って行った。

 

 

楽しそうに寄り添って笑いあう二人の後姿をずっと見送った。

 

 

 

「やっぱり。 志藤さんには。 全然負けるなって、」

 

奏は自嘲した。

 

「まさか。 パパとカナが大ゲンカしてるとは思わなかったけど。」

 

ひなたは笑ってしまった。

 

「志藤さんにたてつくなんて。 もうぜんっぜん考えられなかったのに。 なんだか・・気持ちが抑えられなくて。 自分で自分にびっくりっていうか、」

 

「自分の気持ちをバーっと出せるのは。 たまにはいいんじゃない? あたしは思ったことすぐに口に出しちゃうけど。 カナは・・違うじゃん? なんだかんだ言って。 カナはさくら先生とはそういう衝突とかないし。 パパはけっこうみーちゃんとかまーくんとか。 すぐああなっちゃうから。 思ったほど気にしてないかもだし、」

 

奏はひなたの手をそっと繋いだ。

 

さっきの切なさが戻ってきてしまったようで

 

「・・もし。 離れてて。 あたしのこと・・好きじゃなくなったら。 ちゃんと言ってね。」

 

ひなたはそんなことを言ってしまった。

 

奏はぎゅっと力強く彼女の手を握って

 

「言わない、」

 

低い声で答えた。

 

「や・・一応・・ちゃんと言ってくれないと。 自然消滅とか、ちょっと・・」

 

奏はそんなひなたに笑って

 

「じゃなくて。 ひなのことを好きじゃなくなることが、ないから。 言わないってこと。」

 

彼女を見た。

 

 

「先のことは。 誰にもわかんないじゃん?」

 

ひなたは少し意地悪そうに彼に向いた。

 

「自分のピアニストとしてのこれからは・・実はあんまり想像がつかないんだけど。 でも。 ひなのことはわかる。 最初に好きだって思った時から、全く気持ちが変わってないから。 ひなの方がウザいって思うくらい・・好きだと思う、」

 

奏は恥ずかしそうに彼女から目を反らしながら言った。

 

すると

 

「もー、ほんと。 カナは・・傷つきやすいから。 気ィ遣ってるんだよ? あたしだって。」

 

ひなたは嬉しそうにぴとっと彼にくっついた。

 

「・・ごめん、ごめん。 もうちょっと精神力鍛えなきゃなー・・。 逆に。 ひなのことを守ってあげなくちゃ、」

 

「うん、」

 

彼の手の温かさが、嬉しい。

 

 

 

 

「奏からメールをもらいました。 本当に何から何までありがとうございます。」

 

志藤はNYの時間を見計らって、早朝に梓に電話をした。

 

「いえ。 なんだか・・勝手に決めてしまったようで。 先にお母さんに相談をしなくちゃいけないのに、」

 

「いいえ。 もう私にできることは。 ありませんから。 奏が思うように、と思ってます。 啓輔さんも同じです。奏はとても前向きでした。志藤さんや、篠宮先生や。 みなさんのおかげです、」

 

梓も奏の新しい『これから』を温かく見守っていた。

 

ひなたと奏の思いはまだまだ幼くも強いものでした・・

 

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