Root(15) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

何とか会食を終えて、父が会計を済ませている間、

 

「本当に、すみませんでした、」

 

成は柚に頭を下げた。

 

「こちらこそ、場違いなところにおじゃましてしまって、」

 

また彼女は丁寧にお辞儀をした。

 

「これからウチの事務所のことをよろしくお願いします。 社長はどっちかというと経営者というより『職人』なので。 経理のことはぼくもやってますけど、難しい所もあるのでご相談させてください。 父がとてもできる人と言ってましたが、そういう人にお願いするのも申し訳ないくらい小さなところなんですが、」

 

「いいえ。 神崎先生は私を買いかぶってらっしゃるだけで。 できればそんなに規模の大きくなくても一生懸命やってらっしゃる会社を、と私も希望しています。 また社長さんにはご挨拶に伺いますので、よろしくお願いいたします。」

 

 

父がよこしまな気持ちで連れてきたであろう人だけれど

 

まあ美人で気が利いて、心細やかな人であることはとても好感が持てた。

 

 

伯父夫婦は何となく悶々としながらタクシーに乗り込んだ。

 

「成もたまにはおばあちゃんにお線香をあげに来なさい、」

 

乗った後もまだそんなことを言っていた。

 

「わかりましたわかりました。 ちゃんとお彼岸と命日にはお墓参りしてっから。」

 

宥めるようにそう言った。

 

 

「伯父さんたちも淋しいのよ。 たまには行ってあげたら、」

 

母に言われて

 

「その・・淋しさもなんだか重いっていうか、」

 

ポロっと本音が出た。

 

「じゃあ、私はこれで失礼します。 おじゃましてしまって申し訳ありませんでした、」

 

柚がペコリとお辞儀をした。

 

「これからお茶でも飲んで行きましょうよ、」

 

まひるが誘ったが

 

「いえ。 今日はこれで。 ありがとうございました、」

 

彼女はみんなに丁寧にお辞儀をして、チラっと成を見やってまたお辞儀をした。

 

 

「まあ、彼女なら申し分ない気もするね、」

 

その後、神崎の家族とホテルのカフェでお茶をした。

 

まひるの言葉に

 

「あたし。 ずうっとお姉とナル兄が結婚するのかと思ってた、」

 

みずきのぶっちゃけに

 

「はあ?」

 

みんな固まった。

 

「だって。 ナル兄は神崎の籍に入ってないんでしょ? 結婚できるのかなって。 お父さんもお母さんもそのつもりなのかなって、」

 

あっけらかんと言うみずきに

 

「・・おまえ。 冗談もたいがいにしろよ・・。 籍に入ってなくても。 兄妹だろうが。 気持ち悪いこと言うな、」

 

成は彼女を睨んだ。

 

「気持ち悪いって何よ、」

 

それにはまひるが噛みついた。

 

「おまえだって気持ち悪いだろうが。 ずっと兄妹で暮らしてきて。 ありえないっつーの、」

 

そう言ってコーヒーを口にした。

 

なんとか会食は終えたものの、妹のみずきが意外なことを口にして・・

 

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斯波と萌香のその後のお話です。短編になってます。毎朝7時ごろ更新していますのでよろしくお願いします!

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