Root(17) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

何となくモヤッた感じで成とは別れ、それぞれ家路についたものの。

 

「で。 その『社長』は、どんな感じだったの?」

 

車を運転する母は助手席のまひるに聞いた。

 

「前にチラっとナルから聞いてたことあったんだけど。 まあ、めちゃ美人。 年はナルと同い年。 でも・・結婚してたしね。」

 

「そうねえ、」

 

「あたしも。 ひょっとしてナル、その人のこと好きなんじゃないかって怪しんでたんだけど。 全然そういうんじゃないみたいなのよ。 今は特につきあってる人もいないみたいだし、」

 

「それさあ。 やっぱりお姉の可能性もあるってことじゃない?」

 

後部座席からみずきがまたおもしろがって声をかけた。

 

「だから。 もう・・ヘンなこと言わないで。 ナルと血が繋がってなくても、もうあたしにとっては兄以外の何物でもないよ、」

 

まひるは後ろを振り向いて妹に釘を刺した。

 

 

そう。

 

うっすら覚えている彼と初めて会った時のこと。

 

 

『まひる。 ごあいさつしなさい。 この人が新しいお父さんになる人で、こっちがお兄さんになるナルくんよ、』

 

母に連れられて来たホテルかどこかのレストランだった。

 

父親と離婚したのは自分が1歳の時で、もちろん記憶は全くない。

 

離婚の理由も今でもなんだかよくわからない。

 

新しいお父さんは本当に優しそうな人で、お父さんという存在はよくわからなかったけど

 

家族として一緒に暮らしていく、ということはぼんやりとは理解していた。

 

そして

 

『こんにちわ。 まひるちゃん、』

 

小学校5年生だったナルは、幼稚園児の自分に屈んで目を合わせて挨拶をしてくれた。

 

途中で食事も飽きてしまった自分に

 

『何が好き? おりがみとかやる? お絵かきする?』

 

成は自分のリュックからおりがみやスケッチブックを出してきた。

 

それが嬉しくて、成とはすぐに仲良くなった。

 

今思えば、反抗期でもいいくらいの年齢の彼が

 

こんなに幼い自分に歩み寄って相手をしてくれたのは、本当に偉いなって思うばかりだった。

 

兄と妹になっても、成はとても優しかった。

 

時にはケンカもしたけれど、本当にいつもカッコ良くて頭も良くて。

 

ピアノが上手で。

 

自慢の兄だった。

 

 

え、マジ。 まひる、お兄さんと血が繋がってないの? ソレ結婚できるじゃん。

 

 

中学生の頃、事情を知った友達が冗談半分に言ってたことがある。

 

正直、ドキっとした。

 

しかも。

 

成は神崎の籍に入っていなかった。

 

成は私の自慢で、そして

 

憧れだった。

 

成とまひるの結婚の話は全く信憑性がないようですが、まひるの気持ちは少し複雑で・・

 

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