Root(19) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

夕方になり葦切がさくらを迎えに来た。

 

「あ、すぐ終わるから。 待ってて、」

 

さくらが片づけをした。

 

「優しいねえ。 いつも迎えに来てくれて。」

 

成が笑うと

 

「いえ、」

 

葦切は照れてうつむいたが

 

「そうなの! 優しいでしょ? あたしの身体のことを気遣ってくれて家事もやってくれるし。 めっちゃいい旦那さんなの、」

 

さくらは照れもせず自慢した。

 

「少しは照れろや、」

 

成は笑ってしまった。

 

「あ、ねえ。 今日晩御飯ウチ来ない? この前実家から野菜だの地鶏だのたくさん送ってきたから。」

 

さくらは普通に誘った。

 

「え~? いくらおれが図々しくても新婚さんの所にノコノコ行かれませんよー、」

 

「いえ。 ホントに良かったら。 一度小野塚先生とゆっくりお話したいと思ってたんです、」

 

葦切も前のめり気味に誘った。

 

「え、おれと?」

 

「はい。 さくらさんから小野塚先生のことを聞くたびにすごい人だなあって思って。」

 

「ダンナにおれの何を話しているんだ、」

 

成はさくらをジロっと睨んだ。

 

「や、もちろんめっちゃ褒めちぎってますよ・・」

 

さくらはスーッと目を反らした。

 

 

「わー、鶏なべ。 超おいしそーー。 さ、どうぞ。」

 

さくらは土鍋の蓋を開けて成に勧めた。

 

「ほんとだ。美味そう・・。 いっただきまーす!」

 

子供のように手を合わせる彼に葦切はふと微笑んだ。

 

「超しっかりしてるかと思えば。 子供みたいでしょ?」

 

さくらが笑った。

 

「天真爛漫って・・感じですよね。」

 

「天真爛漫・・って聞こえはいいですけど。 天然ってことですよね。 おれは別に天然とかではないなァ。 けっこう計算してますからね、」

 

「ナルはすっごくポジティブなんだよね。 このあたしがそう思うくらいだから、相当。 だから、ホントそんなに家が複雑なんて想像してなかった、」

 

成はビールをグッと飲んだ後

 

「確かに複雑ではあるけど。 でも。 そのことで捻くれたりとかは全くなかったんだよね。 今さ、自分の子供でも虐待する親とかいるじゃん?それを思うと・・おれはみんなから大事に思われて幸せだなあって。 ま、『跡取り』とか? そっちメインだとしてもね。 こんなにもおれって家から必要とされてるって思うと。 幸せかなって、」

 

一気にそう言った。

 

「そういうところが。 小野塚先生のすごいところですね。 恵まれていてもなかなか自分では気づかないものです、」

 

葦切は鍋をつつきながら笑顔で言った。

 

「それもこれも。 日本が少子高齢化で、老人はみんな老後じゃなくて『死後』を心配してるんですよ。お墓問題とか? 墓はともかく誰が仏壇守るんだ、とか? まだまだおれなんか先の話って思うけど、確かにわかるかなーって、」

 

成も鍋の具を菜箸で取った。

 

成のポテンシャルをさくらは誰よりも認めています。そして葦切も成の人となりに徐々に惹かれて・・

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