外の水道のあるコンクリートの床に、仰向けに倒れていたもぐらを発見する夏の昼下がり。
もぐらは山王森の芝生に迷路を作り、階段花壇にもボコボコ穴をあけてはいたが、別段悪さをするとは思えずに共存していた。
花壇に穴を空けるのは植えられてた花が傾くだけだったが、人間が歩く正真正銘の階段の方の穴はちょっと大きくて、はまった人間が足を取られ下手すると転ぶ。でも自然で良いじゃないか。
ところで、もぐらがアスファルトの道路を横切り、家の横で昇天するのは、納得がいかない。想像するに、地域猫の中にネズミ獲りが極めて上手な猫がいたから、日頃のお礼にと獲物を持って来てくれたのかとも思う。
せっかくのプレゼントでも、ちと迷惑かなと感じながら、割り箸とスコップで山の斜面に埋めてやった。土の中に戻るのも嬉しいだろう。仰向けは嫌だろうから俯せにした。
白い百合は夏の香り