ようやく2回表ですけど | エナフンさんの梨の木

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ピーターリンチをお手本とした初心者でもできる長期投資法を日々研鑽しています。

ツイッターにも投稿しましたが、マネープラスさんに私の取材の続きが掲載されました。

 

この中で、私は、短期投資をスポーツやゲームに例えるなら、長期投資は盆栽に近い楽しみ方を知る必要があるといった趣旨のことを説明しました。こう書いても、ピンと来ない方がいらっしゃるかもしれませんが、仮に3~5年の時間軸を設定して株式投資をする場合、月に直すと、36ヵ月~60ヵ月ということになります。

今年の5月に緊急事態宣言で時間を持て余し、たまたま私のブログか本を読んで、株を買ったとすれば、今11月ですからざっと6か月間その株を保有したことになります。長期投資の時間軸からすれば、野球に例えるならば、ようやく1回の表裏が終わって、2回表に入ったくらいのタイミングと言えるでしょう。

 

「ええっ~!!まだ2回表?」

 

多くの人はそんな感想でしょう。それをもって盆栽と言っているわけです。時間軸が違いすぎるんですね。

けど、その長い長い時間軸さえ受け入れることが出来れば、やっていることは、やはりスポーツやゲームに似ています。

 

もし息の長い成長株を持っているなら、5~7月は多分割安さの解消が加わってよく騰がり、その後、過熱感から少々は下がってしまったパターンの株が多いでしょう。この場合は、野球でいえば、1回表裏は3-1でリードといったところでしょうか?

 

「小回り三月」という投資格言があります。

騰がるにせよ。下がるにせよ。ちゃぶつくにせよ。3か月を1単位に、ひと相場があるといった意味合いです。厳密に3か月というわけではないのですが、企業業績は四半期単位で発表されますし、春夏秋冬で3か月ごとに季節が区切られていますので、3か月単位で相場が動くというこの格言は、経験上、それなりに納得感があります。

 

ですから、1年くらい相場が膠着してしまっても、「まだ2回裏…。」くらいに思えなければ長期投資とはいえません。

もっというと、少々リードを許してしまっても(含み損を抱えていても)、「まだまだチャンスはある」と考えて最善を尽くしていけば、ゲームで勝つチャンスはいくらでもあるのです。

 

もちろん、前半からガンガン、リードを広げて、5回裏で10-0みたいな展開の方が気持ちは楽ですが…。

 

(その場合は逆に他にもっと良い株を探した方が良いかもしれない。あまりに騰がりすぎるということは、バリューは薄れている可能性が高い。コールドゲームしてしまおう。)

 

 

 

ただ、野球もそうですが、ノーアウト満塁みたいな大チャンスを逃してしまうと、一気に敵チームが勢いづいて、苦しいゲームになってしまいます。長期投資も同じで、今年の4~7月のような大上昇で点が取れないようでは、その後の8~10月の停滞局面で失点を繰り返し、1回表裏を終わって0-4くらいで負け戦になっているかもしれません。

 

点が取れるときには確実に点を採る必要があります。

「いい株を見つけることが出来たなら、とにかくその株を買う。」

そして、「簡単にはゲームを降りない」

「買える株が存在する限りは、マーケットに居続ける。」

これが鉄則です。

 

選手の入れ替えはやっても良いのですが、「相場が暴落しているから」とか「ずいぶん騰がったから」とかといった理由で、良い株を見つけているにも関わらず、株を買わないとか、簡単にゲームを降りるようでは、多くの場合、最悪のタイミングでゲームをなげることになり、大チャンスを逃すことになりかねません。

 

 

 

「そうは言っても、どこを探しても、どこにも割安成長株なんて見当たらない・・・。もはや買う株がない。」

 

もし、そういう状況になってしまったら、その時だけはいったん「見るのも相場」を決め込んでも良いと思います。

 

けど、そういうことって滅多におこりません。あるとすれば、超特大の株ブームがやってきて、「日経平均10万円説」みたいなのをみんなが信じて疑わないような大相場の時でしょう。

「行ける!!行ける!!まだまだ行ける!!」と全員で言い出したら、さすがに大警戒して、自分の株を冷静に見る必要があります。

 

 

えっ?今ですか?

 

少なくとも日本株に関しては、そんな状況とは思いませんが・・・。