旋律はいつもドリン系

高校時代のマンドリンクラブの話です。
若干、ほんとのことをベースのフィクションです。

(11)フィフティー・フィフティー。なのじゃ。

2010年10月02日 03時13分45秒 | 4章-スターウォーズと夏の日の恋(仮)
目 次
〈1 章-はじまりは、こんなもん〉の最初から
〈2 章-D線の切れる音〉の最初から
〈3 章-ワシと江本の八福(ハチフク)代理戦争〉の最初から
〈4章-スターウォーズと夏の日の恋〉の最初から


ワシは、このキーワードを聞いて、
やっと、福田先輩が今、何をしているのかに気付いたのじゃ。

間違いない!これはデートの予行演習なのじゃ。

しかもワシが脳内で数秒で済ませるシュミレーションを、
まるまる一日かけて、さらに何千円もの大金を使って試すつもりなのじゃ。

本番の相手は棗田先輩なのか?!

まっ、まさか……
この人は、遂に棗田先輩とのデートの約束を取り付けたというのか?

はっきり断言できる。それはあり得ない。

きっと福田先輩は、デートの約束もないまま、その予行演習をやっているのである。
用意がいいというか、馬鹿というか、断られたらどうするつもりなのだろう。
それより先にちゃんと誘えるのか?……正気の沙汰とは思えない。

正気の沙汰とは思えなかったが、これで何の気兼ねなく先輩に奢ってもらえる。

これは商取引である。
先輩は大金を使ってデートの予行演習をする。
わしは大切プライベートの時間を先輩の為に使う。

つまり今日の先輩とワシは、フィフティー・フィフティーの関係なのである。
と、そこまでは厚かましく思えなかったが、かなり気楽になったのじゃ。

スポンサーの意図が分かった以上、後輩としても多少期待に応えてやるのじゃ。

別に福田先輩の恋の手助けをするという訳ではない。
ふっふっふっ、自分で買うつもりだったジュースも先輩に奢ってもらうのじゃ。

ポップコーンも買ってもらおうかな?

福田先輩は、まだネズミ色の生徒手帳とにらめっこをしている。

ワシは扉のガラス窓に額を押しつけて電車の進行方向の風景を見ながら、
早く福山駅に着かないかと思いながら、残りの停車駅を指折り数えた。

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1 コメント

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Unknown (ゆっきー)
2011-04-27 05:33:15
はじめまして。いつも楽しく拝見しています。
また時間を見つけて、遊びに来させて頂きますね!

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