2019-10-08 09.40.21

第200回臨時国会が始まった。衆参両院で立憲民主党、国民民主党などの統一会派が始動した。幼い頃から一貫して反自民を貫いてきた私としては、応援しないわけがない。

しかし、親しき仲にも礼儀あり。礼儀とは「ちゃんと批判する」ことも指す。もう一つの選択肢となり得るための政策をつくること、さらには幹部も含む議員が成長すること、若手議員を育成することを期待したい。

この夏、第25回参議院議員通常選挙が行われた。私は政治や選挙の専門家ではない。ただ、たたかう一市民として、都内だけでなく、関西も含めて演説会場に足を運んだ。また、特に野党において、人材マネジメント視点で疑問を持った。野党はどのように新人議員を採用し、育成したのかと。その視点で振り返りたいと思う。とくに、何度も演説会場に足を運んだ立憲民主党を中心に考える。

安倍首相は、今年に入ってからも様々な場で「悪夢のような民主党政権」と発言している。この夏の参議院選の開票後のインタビューでも「よく名前が変わるのでわかりませんが」といじっていた。

立憲民主党は結党から2年となった。圧倒的な議席数とはなっていないが、進歩はしていると思う。ただ、ぶれていないがズレていると感じる。これが支持者の間にも「立憲、偉そう」というイメージを醸し出していないか。

左派の立憲民主党離れも気になる。現場で見ていたが、2年前に立憲民主党の演説に足を運んでいた人のうち、若い人とシニア左翼がれいわ新選組に流れたという印象だ。

なお、れいわ新選組のイベントの雰囲気は、3年前に見た三宅洋平さんの選挙フェスの光景とは根本的に異なるものであった。れいわ新選組のイベントでは、登壇者が「この党はゆるいつながりだ」と言っていた。そのゆるいつながりの強さをたしかに感じた。そして、三宅洋平さん選挙フェスにおいては、“彼と応援団”という構図のようだったが、れいわ新鮮組は、即席のようで立派な政治団体になろうとしており、つながりの強さをより感じた。

れいわ新選組は、解決策・政策についての疑問がありつつも、大きな総論と振り切れ感のある政策で巻き込んでいる印象だった。立憲民主党は当時、野党第2党のだった割にソリューションが弱く感じた。ゆえに中途半端になってしまった。

「立憲民主党は、あなたです」と、枝野代表は演説の度に言っていた。しかし、何度も演説会場に足を運び、来場者の反応も見ていた上で、「立憲民主党は枝野幸男です」と言わざるを得ない。

参議院選最終日の品川駅高輪口での集会にも行ったが、最後は大きな「枝野」コール。これは美談のようで、だめだと思う。本来であれば、選挙戦を闘い抜いた人へのコールが一番多くあるべき。これでは、よくも悪くも、立憲民主党は「あなた」ではなく「枝野」だ。

この「立憲民主党は、あなたです」的なことをちゃんとやりきったのが、れいわ新選組だった。候補者全員が当事者であり、彼ら彼女たちに共感する当事者や生き辛さを感じている人が集まったという印象。

人材マネジメント視点で、立憲民主党には大きな課題を感じた。大切なのは、「採用」「配属」「育成」。

第二、第三の枝野・長妻・福山を「採用」しなくてはならなかったのに、この人事では安倍人事を批判できない。枝野人事と呼ばれても仕方ない。

やはりモーニング娘。問題で離れた人が多かったのではないか。ちなみに、品川の最後の集会でも、塩村あやか候補や石川香織候補に対して、市井紗耶香候補へのコールや拍手は薄かった。

「配属」という意味でも、各地の候補者の立て方は本当に勝てる布陣だったのか疑問が残るところ。増原裕子候補、亀石倫子候補はインパール作戦を戦わざるを得なかったのではないか。関西での維新の強さも研究不足だったのではないか。

「育成」においても課題が残る。申し訳ないが、山岸一生候補も塩村あやか候補も、演説に熱はこもるようになったものの、決して上手ではなかった。いや、当初は熱も感じなかった。後半も熱しかなく。ファクトとストーリーが弱い。

その点、選挙の主張も人材マネジメントもナイスだったのは、国民民主党。にしゃんた候補も水野素子候補も、優秀な方で、現場での演説もナイスだった。玉木雄一郎代表自体が、この1年間の成長を見せつけた。ただ、なんせ、党の支持と勢いが弱すぎるのが難点だった。

ポピュリズムに対しては警鐘を乱打しなくてはならない。強い野党が必要だ。しかし、それが「オワコン連合」になってはいけない。

今日は国民民主党の玉木雄一郎代表が、代表質問に立つ。強い質問、賢い質問、新しい質問に期待したい。野党が野党らしくしなければ、国は前に進まない。新しい選択肢、議員の成長が鍵だ。

臨時国会に向け、統一会派が魂を戦闘的に高揚させること、経営幹部や資本家が巨万の富を蓄えている中、徹底的に搾取・収奪された労働者・市民の声を代弁することを期待したい。我が国では今日も疑惑が連鎖している。烈々たる決意に燃えた論戦を期待する。