2020.6.6(土)
「えー。
わかんない。
なに上戸です?」
「暑くなって来たわね」
「あ、エアコン、止めます」
さっき、肌寒くなってきたと言った万里亜に応え、暖房を入れたのだった。
室温はもう、25度を大きく超えていそうだった。
美弥子は、よろけないように注意して、起ちあがろうとした。
「いいわよ。
ちょうど良いわ。
思い出すじゃない、夏を。
やっぱり、夏はいいわよね。
いつも裸でいられるから」
「えー、いつも裸でいるんですか?」
「ほほ。
もちろん、外に出るときは着てるわよ。
捕まっちゃうから。
でも、自宅ではほとんど裸ね。
気持ちいいものよ」
「へー。
見てみたい」
「ほんとに?」
「もちろん」
「じゃ、お見せしましょう」
「え?」
万里亜が椅子から起ちあがった。
やはり、舞台に立っているせいか……。
一瞬にして観客の目を引きつける所作が身についているようだ。
万里亜の両腕が上がる。
肘をパンタグラフのように張りながら、手の平は後頭部に隠れた。
ワンピースの裾が、わずかにあがった。
頸の後ろの生地を引きあげたようだ。
両腕の高さが変わり、ファスナー音が聞こえた。
片手で生地を吊りあげながら、もう一方の手で、ファスナーを引き下げたのだろう。
ファスナーを肩甲骨の下あたりまで下げたであろう手が、一旦、ファスナーを離れた。
手は再び、今度は下から背中に回った。
再度、ファスナーの擦過音が立った。
ファスナーが、終端まで下りたようだ。
万里亜の右手が、左の肩の布地を払った。
左手が、右の肩の布地を払う。
一瞬だった。
イリュージョンを見るように、万里亜を覆っていたワンピースが真下に落ちた。
「うそ」
そこに現れたのは……。
一糸纏わぬ、豊かな肉体だった。
そう。
文字どおり、一片の布地も身を覆っていなかった。
わかんない。
なに上戸です?」
「暑くなって来たわね」
「あ、エアコン、止めます」
さっき、肌寒くなってきたと言った万里亜に応え、暖房を入れたのだった。
室温はもう、25度を大きく超えていそうだった。
美弥子は、よろけないように注意して、起ちあがろうとした。
「いいわよ。
ちょうど良いわ。
思い出すじゃない、夏を。
やっぱり、夏はいいわよね。
いつも裸でいられるから」
「えー、いつも裸でいるんですか?」
「ほほ。
もちろん、外に出るときは着てるわよ。
捕まっちゃうから。
でも、自宅ではほとんど裸ね。
気持ちいいものよ」
「へー。
見てみたい」
「ほんとに?」
「もちろん」
「じゃ、お見せしましょう」
「え?」
万里亜が椅子から起ちあがった。
やはり、舞台に立っているせいか……。
一瞬にして観客の目を引きつける所作が身についているようだ。
万里亜の両腕が上がる。
肘をパンタグラフのように張りながら、手の平は後頭部に隠れた。
ワンピースの裾が、わずかにあがった。
頸の後ろの生地を引きあげたようだ。
両腕の高さが変わり、ファスナー音が聞こえた。
片手で生地を吊りあげながら、もう一方の手で、ファスナーを引き下げたのだろう。
ファスナーを肩甲骨の下あたりまで下げたであろう手が、一旦、ファスナーを離れた。
手は再び、今度は下から背中に回った。
再度、ファスナーの擦過音が立った。
ファスナーが、終端まで下りたようだ。
万里亜の右手が、左の肩の布地を払った。
左手が、右の肩の布地を払う。
一瞬だった。
イリュージョンを見るように、万里亜を覆っていたワンピースが真下に落ちた。
「うそ」
そこに現れたのは……。
一糸纏わぬ、豊かな肉体だった。
そう。
文字どおり、一片の布地も身を覆っていなかった。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2020/06/06 06:39
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今日は何の日
6月6日は、『コックさんの日』。
「かわいいコックさん」の絵描き歌の中に、「6月6日」が出てくることから。
「かわいいコックさん」または「コックさん」は、東京のわらべうたで、作詞者・作曲者はわかりません。
1964(昭和39)年から1965(昭和40)年にかけ……。
NHK総合テレビの幼児向け番組『うたのえほん』で歌われたことにより、全国的に知られるようになりました。
『うたのえほん』に採用された歌詞は以下の通りです。
棒が一本あったとさ
はっぱかな
はっぱじゃないよ かえるだよ
かえるじゃないよ あひるだよ
六月六日に雨 ざあざあふってきて
三角じょうぎに ひびいって
あんぱんふたつ 豆三つ
コッペぱんふたつ くださいな
あっというまに
かわいいコックさん
もともとの歌詞は、「六月六日に雨 ざあざあふってきて」の部分が……。
「六月六日のさんかんび 雨ざあざあふってきて」でした。
でも、幼児に分かりにくいとの判断により「さんかんび」は省略されました。
地方によっては若干異なる歌詞でも歌われてます。
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/10606d1.html)のページから転載させていただきました。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2020/06/06 06:40
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今日は何の日(つづき)
さらに同じページから、『「かわいいコックさん」の商品について』を引用させていただきます。
イラストやキャラクターのデザイン開発、キャラクター商品の企画製造販売を行う『㈱オムテモワン(http://www.homme-temoin.jp/cooksan/)/神奈川県川崎市多摩区』が……。
1995(平成7)年8月に、世界で初めて「かわいいコックさん」キャラクターのTシャツを、原宿竹下通りのテスト販売でデビューさせました。
その後、1996(平成8)年3月、特許庁に「かわいいコックさん」のイラストを商標登録出願し……。
翌1997(平成9)年8月に商標登録が認められてます(歌については商標登録されてません)。
https://zatsuneta.com/img/10606d1_01.jpg
同社は、「かわいいコックさん」のTシャツ、エプロン、塩胡椒入れ、箸置き、プレート、コースター、鍋敷き、ストラップなど……。
数多くの商品を販売してます。
以上、引用終わり。
「㈱オムテモワン」さん、目の付け所が良かったですね。
それまで誰も、商標登録を思いつかなかったんですかね。
ま、大した儲けにはならないでしょうが……。
それでも、原価ゼロなわけですから。
このコックさん……。
風貌は明らかに黒人さんです。
でも、問題になるような絵柄じゃないでしょう。
「ダッコちゃん」は、腰蓑を着けてたからマズかったわけです。
コックさんなら、立派な職業です。
なんとなく、「給仕」のイメージもしてしまいますが。
続きはさらに次のコメントで。
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––––––
3. Mikiko- 2020/06/06 06:40
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今日は何の日(つづきのつづき)
わたしは子供のころ、コックさんの絵を書いた覚えはないです。
新潟では流行らなかったんですかね。
マンガはけっこう書いてたんですが。
そうそう。
新潟市から、数多くのマンガ家が輩出されてるのは、よく知られるところです。
「ドカベン」の水島新司、「うる星やつら」の高橋留美子、「パタリロ」の魔夜峰央など。
これは、新潟市の冬が影響してると言われてます。
当然、雪が降ります。
同じ雪が降る地域でも、山間部なら表遊びが出来るんです。
スキーとかソリとか。
坂があるからです。
ところがぎっちょん。
新潟市には坂がありません。
いくら雪が降っても、真っ平ら。
スキーもソリも出来ないのです。
距離スキーなら出来るでしょうが……。
そんなことして楽しいわけありません。
ということで、新潟市の子供は、冬、家の中に籠もるしかないんです。
ネットのない昔は、マンガを書くくらいしか、することはありませんよ。
というわけで、新潟市からはマンガ家が輩出されたのです。
でも、今後は期待薄ですね。
マンガを書くより、ネトゲに行っちゃうでしょうから。
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4. 手羽崎 鶏造- 2020/06/06 08:26
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ワタシは実は「かわいいコック」の
持ち主なんです。
いわゆる短小コンプレックスでした。
サイズもさることながら、
お相手に悦んでもらうには、
色々あることを知りました
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5. Mikiko- 2020/06/06 11:41
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常に……
そちら方面にシナプスが繋がる脳構造には、心から感服しております。
わたしは、この「今日は何の日」を書いてるとき、まったく連想すらしませんでした。
まだまだ修行が足りないと、大いに反省しておる次第です。
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6. 手羽崎 鶏造- 2020/06/06 17:41
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えっ、反省だなんて?
とんでもない。
管理人さまはフツーの常識人、
それで当たり前です。
<本篇3055コメントより>
「なにしろ趣味が、年に1度の東京旅行だけ。」
何をおっしゃる。
管理人さまにはエッチな想像と
その文筆化という人には出来ない
妙技をお持ちだ。
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7. Mikiko- 2020/06/07 13:47
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閑雅な趣味
おっしゃるとおり……。
お金のかからない最高の趣味を得たと思います。
お金をかけてるのは、酒だけですね。