No Room For Squares !

レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

13歳の誕生日を迎えた猫・銀次郎さん

2024-04-24 | 
<13歳になった銀次郎さん>



<13年前の銀次郎さん>



本日4月24日は、銀次郎さん(我が家の猫)の誕生日である。満13歳になった。銀次郎さん、おめでとうございます。13年もの間、一緒に生活してきたと思うと、感慨深い。先代の猫「チビ」は2010年に13歳で亡くなった。ひとつ年上のボス猫「シャトン」は翌2011年に15歳で亡くなった。そのボス猫と半年ではあるけれど、共に暮らし育てられた銀次郎。命は繋がっている。これからの時間を慈しむように大事にし、共に生きていこうと思う。


X-PRO3 / XF56mm F1.2R WR

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宮城コンプリートいよいよカウントダウン

2024-04-22 | 東北コンプリート






(おまけ)
大崎市にある化女沼レジャーランド跡。ルート上にあり何度も行くことになった。



久々に東北コンプリートの話題である。東北コンプリートとは僕のライフワークで、東北6県全ての市町村で町並写真を撮影することである。市町村は国土地理院の平成15年時点のデータに準拠している。つまり平成の大合併前の旧市町村単位である。僕の集計では6県で全401の市町村数となる。既に山形県(44市町村)、秋田県(69市町村)、岩手県(58市町村)は完了している。

その後は苦戦していたが、宮城県71市町村のうち66市町村での撮影を終え、残すところ5市町村となった。順調にいけばあと2回の遠征で宮城コンプリートとなる。宮城県は市町村合併の多かった県で、石巻市(8)、登米市(9)、栗原市(10)、大崎市(7)の4市だけで35もの旧市町村が存在する。それらが近接した地域に密集しており、何が何だか分からなくなるし、同じ場所を繰り返し何回も通ることになり、大変苦労した。その4市での撮影を終え、とうとうカウントダウンが開始された。東北の中では比較的都市部の多い宮城県なので、一つの町の中で経済圏が独立しているとは限らず、ハイライトとなる町並みが見い出せないことも多かった。「繁華街は役場または大きな寺社の近くにあり」という東北(田舎)セオリーが通用せず愕然ともした。結果的に、撮影はしたもののブログに掲載しなかった町が最も多い県となった(今回の写真はそんな町である)。

ちなみに経過報告をすると、現時点で全401市町村のうち撮影済みなのは約300市町村。「約」というのは、撮影した筈なのに写真が見つからないケースもあるし、逆に行っていないと思ったのに後から写真が見つかることもあるからだ。最終的には福島県との闘いになるだろう。92もの旧市町村が存在し、まだ3割ほどしか進捗していない。コンプリートへの道は遠い。でも単にコンプリートを追求せず、町並み写真の撮影を楽しんでいきたい。



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猫たちの午后~Cat Day Afternoon

2024-04-20 | 
ある日の午后のことだった。家の猫、銀次郎が窓から外を眺めている。季節柄、外猫たちの往来が増えてきた。勢い銀次郎のパトロール頻度も多くなる。この窓の下は外猫銀座と言われるほど、数多くの外猫が行き来する。監視をしながら銀次郎は、春の空気を吸って気持ちよくなってウトウトするのが常である。監視が機能しているとは思えない。

そこで僕は、こっそりと外に廻って、監視している銀次郎の様子を撮影しに行った。それがこの写真である。抑止力として機能しているのかどうか、それは写真を見た諸兄(姉)の判断に任せる。網戸が紗のような効果を発揮し、不思議な味わいの写りとなった。

X-PRO3 / XF35mm F1.4
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ディープ東鳴子~これはもう近代遺産といえる

2024-04-14 | 温泉・宿





宮城県の東鳴子温泉、いさぜん旅館である。東鳴子温泉は広義な範疇では「鳴子温泉郷」に属するが、厳密にいえば鳴子温泉とは離れた所にある別の温泉地である。一時期、僕は東鳴子温泉の湯に魅了され、足繁く通ったことがある。当時、営業していた12軒の旅館すべてのお湯に入ることを目指していた。結果、最後の一軒は完了前に廃業してしまい、達成することはできなかった。現在では更にもう1軒廃業し、10軒の旅館が残っている。全て湯治宿の流れを汲む本格温泉である。

中でもこの「いさぜん旅館」はお気に入りで何度か泊まった。僕の中では東鳴子のホームグランドだ。館内には猫が歩き廻る。初めて来たとき、入り口のソファでは猫が寝ていた。宿泊台帳を記入しつつ、「この猫、名前なんていうのですか?」と主に聞いたことを思い出す。主は「うーん、それはうちで飼っている猫ではなく、勝手に入ってきた野良猫だね」。ずっこけた。その瞬間、この旅館のファンになった。今では中々泊まる機会はないが、こうして時折、日帰り入浴をしている。2~3枚目の風呂は同じ浴室にある。2枚目が鉄鉱泉の熱い湯、3枚目が炭酸泉のぬるめの湯。まず鉄鋼泉に浸かり、上がり湯として炭酸泉に入るのが良いとされている。ちなみに混浴です。僕は炭酸泉に入っている時、若い女性が入ってきてドギマギしたことがある。この距離感はきつかった。温泉マニアの若い女性は臆することなく凄いと思う。そんなこんなで東鳴子は今日も温泉通を唸らしていることだろう。

GRⅢ

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それぞれの「Perfect Days」

2024-04-11 | その他
映画「パーフェクトデイズ」を観た。これで二度目である。「二回目を観たい」と思う映画は数多くあるけど、実際に映画館で「二回目を観た」映画というのは余り記憶にない。少なくとも、ここ15年では初めてだと思う。「パーフェクトデイズ」は、ヴィム・ヴェンダース が監督を務め、役所広司が主演した作品だ。ヴィム・ヴェンダースは僕の大好きな映画「パリ・テキサス」の監督であり、相性が悪かろうはずもない。ストーリーを追うことに意味がある映画ではないが、大体次のような話だ。

東京でトイレ清掃員として働く中年の男、平山(役所広司)。彼は木造の質素なアパートに殆ど物を持たず一人で暮らしている。その生活は大体において同じルーティンの繰り返しだ。早朝、近所のお寺の竹ぼうきの音で目覚め、布団を畳んで身支度をする。育てている植物に霧吹きで水を掛ける。家の前で缶コーヒーを買うと、軽ワゴン車に乗り込む。車内でカセットテープの古い音楽を聴きながら仕事場に向かう。清掃員として担当する都心のトイレ清掃を行う。彼は無口で黙々と、かつ丁寧に仕事をする。嫌々やっているのではなく、仕事に打ち込んでいる。何故という理由はないと思う。それが彼のやり方だ。休憩時間には樹々の枝葉が作る影の動きを、毎日フィルムカメラで撮影する。仕事が終わるとアパートに戻る。銭湯に行き、大抵は一番風呂に入る。その後、一杯飲み屋でささやかな食事をする。家に戻ると本を読み、眠くなったら寝る。以下、次の日も同じである。週末は仕事の代わりに、アパートの部屋を綺麗に掃除し、コインランドリーで洗濯をし、フィルム写真の選別をする。そして古本屋で文庫本を買う。週末の夜だけは小綺麗な料理屋で酒を飲む。料理屋のママは色っぽい石川さゆりであり、少しだけ鼻の下を伸ばす。平山は偉人でもなければ、何か大きなことを起こすわけでもなく、同じような日々を送っている。それでも生きていれば時折、心に波紋を起こす出来事もある。仕事場の後輩を巡る小事件、家出してきた姪っ子との交流とその母(平山の妹)との関係、料理屋のママの元旦那とのひと時。ネタバレになるのでこれ以上は書きません。無口で殆ど喋らない平山にも感情もあれば、過去だってある。それなりの影だってあるだろう。それでも彼は周囲の人との小さな触れあいの中で生きている。今日もまた新しい、いつも通りの一日が始まっていく。

という訳で、大きな事件もなければ、平山の人生が語られるわけでもないし、謎が解明されたり、新しい発見がある訳でもない。結局のところ、それが我々の人生でもある。平山の姿は、どんな人間にとっても「もう一人の自分」そのものになり得ると思う。「もう一人の自分」とまではいかなくても、「自分のある一部分」を具現化した人生であることを否定できる人は少ないだろう。二回目の上映を観た時、時間が流れるように進んだ。というより時間の流れそのものを意識しなかった。映画を観ているというより、その空間のなかに紛れ込んでいるような感覚があった。3回目を観れば、きっとその感覚は更に進化するだろう。5回目くらいになれば、僕は映画のどこかに登場しているかもしれない。そんな不思議な没入感は初めての経験だった。出来れば、もう一度観たいと思う。


iPhone 13PRO

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