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レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

鳴子温泉の東西横綱

2020-02-15 | 温泉・宿







少し前の写真である。宮城県に鳴子温泉という温泉がある。昔から人気温泉だけど、最近は正直なところ少し廃れている。以前に「なんとか温泉番付」で横綱に選ばれて、それが陰謀説みたいな推測を呼び、いまでもプチ炎上しているそうだ。番付のことは知らないが、鳴子温泉が良い温泉であることは間違いない。周辺の中山平温泉、東鳴子温泉、川渡温泉などと合わせ、湯量、バリエーションとも豊富なお湯が自慢なのだ。バリエーション・・・。そうなのである。鳴子温泉は、一つの宿が泉質の全く異なる源泉を複数持っていたり、両隣の宿で凡そ似つかぬお湯が出たり、もう温泉ワンダーランドなのである。それでも温泉地は廃れるいくのだから、やりきれない話である。

さて、今回のネタは鳴子温泉のコア旅館二軒である。隣り合って建つ二軒の宿は、本館と別館でも疑問を感じない立地条件である。片方が「東多賀の湯」、もう一つが「西多賀旅館」である。僕は「東多賀の湯」にしか泊まったことがないけど、ここの女将さんは、優しい物腰にもかかわらず「温泉原理主義者」であり、温泉の維持管理に並々ならぬ情熱を注いでいる。例えば、源泉かけ流しは当然のことで、それに加えて「加水」や「加温」もしない。「源泉をストックするタンクの洗浄に水道水を使うと、そこで塩素が混入するから駄目なのよ。そういう意味で本当の源泉かけ流しは鳴子でも少なくなってきましたよ」なんて恐ろしいことを普通の顔をして言う。その東多賀の湯は、乳白色の湯。女将さんが夕食時に説明してくれるのだけど、いつも酒を呑んでいる僕は覚えられない。硫化水素型の硫黄泉であることは間違いないと思う。換気を適切にしないとガスでやられてしまうレベルの濃厚さだ。身体が芯から温まる湯は優しくもある。但し帰宅してTシャツや下着類から硫黄の匂いが抜けるまでに、3~4回は洗濯をしなければならない。これを鳴子の「東の横綱」と僕は呼ぶ。

一方、「鳴子の西の横綱」は、西多賀旅館である。こちらも硫化水素型の硫黄泉だけど、こちらはバスクリンを入れたのかと勘違いするほどの緑色の湯。湧き出した時は無色透明で、温度変化により色が着くという。切り傷などに効能高いとされるが、僕は独特の湯の香りに魅了される。「東多賀の湯」に泊まり、玄関を出て徒歩20mほど。こちらは立ち寄り湯をさせてもらう。温泉大好きな僕だけど、思いっきり文系人間なので、酸とか言われても何のことか分からない。単純に楽しみ、個人的な効果を温泉自体の効果であるかのように能書きを垂れるのみである。どちらに泊まっても、もう一方の湯にも入れてもらう。これで東西両横綱制覇となるのだ。

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2 コメント

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こんばんは(^^♪ (のり)
2020-02-15 17:28:51
鳴子温泉は行って見たい温泉の一つです!!
こけしでも有名ではなかったでしょうか。
硫黄臭がなかなか取れないのは勘弁してほしいですが、頑固にポリシーをもって頑張っているおかみさんにはお会いして、レクチャー
を聞いてみたい・・・かな??
のりさん (6x6)
2020-02-15 20:18:39
はい。こけしが、とても有名です。
おかみさんは、気難しい方ではなく、寧ろ「おっとり」した感じの優しい方なんです。
でも温泉が大好きで、一途な感じが伝わってくる素敵な方です。
多分、頼まなくても勝手にレクチャーすると思います。
一泊二食で、8000円台(税別)と温泉の質から考えると奇跡の値段です。
お米も美味しいですよ。

追伸:洗濯の件は、諦めて下さい(笑)。

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