皆さんは「十文字ラーメン」をご存知だろうか。秋田県横手市の十文字地区(旧・十文字町)のご当地ラーメンだ。あっさり醤油の和風出汁、独特の細い縮れ麺が特徴で、具材はシンプル。そして値段も500〜600円くらいと安い。もちろん僕も大好きだ。そのシンプルさ故、他のラーメンとの直接比較は難しい。でも、あっさりとして滋味深いこのラーメンを無性に食べたくなる時がある。
今回は、老舗かつ地元民の評価が圧倒的に高い「丸竹食堂」で食した。何度かトライしようとしたが、いつ行っても混雑している。今回は早めに入店したことと、県外からの客が戻っていないことが幸いして食べることができた。こういう地元で圧倒的に支持されている食堂には、幾つかの共通項がある(都会ではなく、田舎の食堂の場合)。四点指摘したい。
①一点目は、店内の雰囲気だ。人気店だからといって緊張感に満ちていることはない。ほのぼのとしたアットホームな雰囲気の店が多い。
②二点目は、「味」である。それは旨いから通うのだけど、その旨さは尖った先鋭的なものではない。極端にいえば低め安定でも良いから飽きない味の方が好まれる。
③三点目は価格である。いくら旨くても、値段が高すぎる店は敬遠される。
④四点目は、お婆ちゃんなり、お爺ちゃんなり、店のアイコン的な長老が現役の店である。
以上、四つの特徴から何がいえるかというと、「地元民のリピート」が継続するということだ。しかも、休日ともなれば家族総出で訪れたりする。そこには旨い不味いよりも重要な何かを大切にした店の真理があるように思う。なお、誤解のないようにいえば、丸竹食堂は旨いです。
X-PRO3 / XF23mm F2R WR
ところでレンゲの下にある具はなんでしょうか?麩のようにも見えるし大根のようにも見えるのですが…。
尖った先鋭的な味やインスタ映えの有名店って、多分30年後には無くなっていると思います。
これは「麩」です。青森、秋田、そして北海道の一部で、ラーメンに入れるそうです。
僕も最初は違和感ありましたが、今は普通に受け容れております。ちなみ味は、スープの味です(笑)。
いつ行っても同じ味の同じ店があるって、結構貴重なんですね。
しかも、これ500円なんですよ。